鹿部町教委 家庭学習用端末整備 1人2台活用で気づき生み 教員へのICT研修開始
(市町村 2021-06-24付)

 【函館発】鹿部町教委は町内の児童生徒に対し、授業用と家庭用の1人2台端末を整備している。昨年9月、町独自でタブレット端末を用意し、緊急時にも学びを止めない体制を構築。現在、家庭用の端末として貸与しており、民間企業が提供する映像授業配信アプリも導入。児童生徒は主に家庭学習などで活用しており、端末を持ち帰ることなく、学びを進められる環境を整えている。今後は、教職員を対象としたICT研修を段階的に実施。町教委の岩井祐巳指導主事は「教職員の教えと児童生徒が主体的に学ぶ姿勢の2つのバランスを保つことが重要。2台の活用によって児童生徒に様々な“気づき”が生まれてくれればうれしい」と期待を寄せている。

 町教委は昨年の新型コロナウイルス感染症に伴う一斉臨時休業の経験から、緊急時にも学びを保障できるよう、昨年9月に町独自に1人1台端末を整備。ことし4月からは、国の1人1台端末が導入され、児童生徒は1人2台の端末を活用している。

 2台の端末は、①町独自で用意したアンドロイド②国のGIGAスクール構想で整備したWindows10―の2種類。

 活用方法として、①は児童生徒の各家庭に常備。臨時休校など緊急時におけるオンライン学習や朝の会の連絡、家庭学習の配信など、自宅学習で活用できるようにしている。

 なお、通信ネットワーク環境がない家庭にはWi―Fiルーターを貸与している。

 また、小学3年生までには民間企業が提供する自主学習型ウェブサービスのeライブラリィを、小学4年生以上にはスタディサプリを導入。映像授業を配信しているサービスの活用によって、児童生徒の家庭学習の充実を期待している。

 ②は学校に常備。クラウドサービスOneDriveを使用し、総合的な学習の時間など画像や記録の保存方法を学んでいる。

 町教委の岩井指導主事は「端末の持ち帰りに当たっては、各教室の充電保管庫にセッティングしているケーブルを取り外すことが困難。家庭用の端末では充電器とともに貸与しているため、毎日の持ち帰りを考慮することなく、どこにいても学びを進めることができる」と話す。災害などの緊急時における臨時休校に備え、オンラインでの連絡方法など学びを保障する訓練の必要性も強調。

 6月末からは、ICT研修を開始。「教職員のためのICT研修」「ICT機器を活用した授業実践」「緊急時における家庭学習やオンライン学活」「小・中学校プログラミング学習」の4つの視点から、町内の教職員がアプリを活用した記録方法やクラウドサービスの効果的な活用方法について、理解を深めていく。

 岩井指導主事は「教職員の教えと児童生徒が主体的に学ぶ姿勢のバランスを保ち、児童生徒に様々な気付きが生まれるような端末活用を各校で進めてもらえればうれしい」と話している。

(市町村 2021-06-24付)

その他の記事( 市町村)

名寄市が市立大で職域接種 教職員など7月中旬優先接種 29日から1200人に

 【旭川発】名寄市では、あす29日から市立大学関係者の新型コロナワクチン接種を開始する。大学関係者など約1200人が対象。教職員等約600人への優先接種は、7月中旬の開始をめどに調整を進めて...

(2021-06-28)  全て読む

携帯電話取扱い等指導方針策定 学校への持込原則禁止 いじめ防止取組徹底を

 【網走発】紋別市教委は、携帯電話の取扱いおよび情報モラル教育の推進等にかかる基本的な指導方針を策定した。小・中学校共に携帯電話の学校への持ち込みは原則禁止と明記。ただし、緊急の連絡手段とせ...

(2021-06-28)  全て読む

奥尻STEP―UPプロジェクト AI塾や遠隔企業見学 町教委 島の地理的制約克服

 【函館発】奥尻町教委は、本年度新たに奥尻教育STEP―UPプロジェクトに取り組む。民間企業2社と連携し、AIドリルを活用した「奥尻AI塾」や、島外講師指導のもとオンラインで企業見学を行う「...

(2021-06-28)  全て読む

網走市教委 児童生徒の1人1台端末 臨休時等に持ち帰り 7月から訓練 ルールも整備

網走市ICT活用推進委員会会合  【網走発】網走市教委は、臨時休業などの緊急時において児童生徒1人1台端末の持ち帰りを実施する方針だ。7月上旬から各学校で緊急時を想定した持ち帰り訓練を行い、各家庭の接続状況などを確認する予...

(2021-06-25)  全て読む

豊頃町3年度教育行政執行方針 小中一貫教育を推進 合同行事、教員相互派遣など

豊頃町教委中川直幸  【帯広発】豊頃町教委の中川直幸教育長は、11日に開かれた町議会定例会において、令和3年度教育行政執行方針を説明した。豊頃中学校改築に併せて小中連携、その先の小中一貫教育を効果的・効率的に展...

(2021-06-25)  全て読む

奥尻町3年度教育行政執行方針 デジタルドリル活用 ICTの実証モデル構築

奥尻町教委新谷順二  【函館発】奥尻町教委の新谷順二教育長は令和3年度教育行政執行方針において、国のGIGAスクール構想を踏まえ、遠隔学習やデジタルドリルなどを活用した「奥尻教育STEP―UPプロジェクト」に取...

(2021-06-24)  全て読む

奥尻町2定補正予算 教育費607万円 情報機器整備など

 【函館発】一般会計総額2億3930万円を追加する奥尻町の補正予算案が、17日の第2回定例町議会で成立した。  補正後の総額は41億4168万円。うち教育費は607万円を追加し、2億557...

(2021-06-23)  全て読む

旭川市小学校長会・中学校長会が合同研 いじめ見逃さない体制を 基本方針共有等6点掲げ取組

 【旭川発】旭川市小学校長会(橋本彰会長)と旭川市中学校長会(林欽一会長)は17日、オンラインで合同校長研修会を開いた。ウェブ会議システムZoomを介して市内小・中学校長など約80人が参加。...

(2021-06-22)  全て読む

愛別町3年度教育行政方針 英検受検料を助成 学校給食導入見据え取組

愛別町馬場信明  【旭川発】愛別町教委の馬場信明教育長は、15日の令和3年度町議会第2回定例会で3年度教育行政方針を説明した。英語検定の検定料を助成し、英語への学習意欲を高め、英語力向上を図る。小中一貫教育...

(2021-06-22)  全て読む

石狩市内全小・中が実施 端末持ち帰り 夏期休業中に 双方向交流 休業明けも検討

 石狩市教委は、夏季休業期間における市内全小・中学校児童生徒の端末の家庭への持ち帰りを認めることを決めた。各家庭の通信環境を確認し、双方向で交流予定。夏季休業明けにおいても、各校の状況に応じ...

(2021-06-18)  全て読む