旭川市小学校長会・中学校長会が合同研 いじめ見逃さない体制を 基本方針共有等6点掲げ取組(市町村 2021-06-22付)
【旭川発】旭川市小学校長会(橋本彰会長)と旭川市中学校長会(林欽一会長)は17日、オンラインで合同校長研修会を開いた。ウェブ会議システムZoomを介して市内小・中学校長など約80人が参加。学校いじめ防止基本方針等の全教職員の共有、いじめを見逃さない体制づくりなどを盛り込んだ6点の具体的な取組を掲げ、児童生徒が安心して協働的な学びに取り組める生徒指導の改善・充実へ共通理解を図った。
冒頭、道教委を代表して中澤美明学校教育局指導担当局長があいさつ。子どもたちが安全・安心な環境で学べる学校づくりに向け、危機管理の重要性をあらためて強調した。
「いじめはどの学校にも起こり得る」との意識をもち、全教職員の共通理解や校長の的確な判断のもと、いじめの認知と適切な初期対応に当たるよう要請。
校長のリーダーシップのもと、日常的に情報共有しやすい職場環境を整えるとともに、教職員が同じ方向に向かって取り組める意図的なマネジメントの工夫や、前向きにやりがいをもって取組を進められる学校体制づくりを期待した。
主催者を代表し、林会長があいさつ。3月に起きた市立中学校に在籍する女子生徒の事案にかかわり、旭川市教委の指導を踏まえ、各学校のこれまでの取組等を説明した上で「厳粛かつ真摯に受けとめ、全教職員がいじめ問題への適切な対応等について共通理解を図るとともに、市内全小・中学校が一丸となって確実に取り組んでいく」と決意を新たにした。
続いて、上川教育局の泉大吾教育支援課長が「いじめ問題への対応にかかる取組の徹底について」と題して説明。
①作成した学校いじめ防止基本方針や対処マニュアルの教職員への周知徹底②アンケート調査の記載内容の確認③いじめ対策組織について、学校全体の情報共有、管理職による点検・指導、教委への報告体制―の主に3点の重要性をあらためて確認し、今一度全体で対応のレベルアップを図るよう求めた。
つぎに、中学校長会の工藤亘事務局長が、今後の具体的な取組として6点を説明。「児童生徒一人ひとりが安心な環境で協働的な学びを充実させるために、校長のリーダーシップのもと、確実に実施してほしい」と呼びかけた。
生徒指導の改善・充実に向けた今後の具体的な取組内容はつぎのとおり。
▼職員会議の開催
各学校で作成している学校いじめ防止基本方針、対処マニュアル、いじめ防止プログラムなどについて、全教職員が確実に共有し、組織的に取組を進めたり、見直したりするなど実効性のあるものにする。
▼いじめの未然防止
道徳や学級指導の一層の充実を図り、いじめ根絶集会など児童生徒が主体となったいじめの未然防止の取組を推進。児童生徒一人ひとりのいじめ防止に対する意識を高める指導を充実させる。
保護者等に学年懇談や学校通信など、様々な機会をとらえ、学校いじめ防止基本方針などについて理解・協力が得られるよう周知に努める。
▼いじめの早期発見
いじめの兆候やサインとして注意すべき児童生徒の行動や態度をまとめたチェックリストを計画的・組織的に活用し、日常的な見守りを徹底していじめを見逃さない体制づくりを図る。
▼いじめの早期解消
アンケート調査や個人面談の実施後、管理職を含めたいじめ対策組織で調査結果を検証する。
特に、ことし5月に実施した児童生徒アンケートの結果に基づき、年間計画の修正・改善を図り、学級指導や教育相談等による支援・指導の方法などについて組織的に検証。児童生徒が安心して学習活動に取り組める環境を整えるとともに、内容等についても必要に応じて改善する。
▼専門的指導員の活用と研修の充実
スクールカウンセラーや市子ども総合相談センターのスクールソーシャルワーカー、臨床心理士等を積極的に活用。
教職員のカウンセリング能力等向上のため、各種研修会などに教員の積極的な参加を促し、教員が参加しやすい体制を構築するなど、児童生徒の心に寄り添ったきめ細かな支援・指導の充実に努める。
また、通知や研修資料等を活用した校内研修を計画的に実施する。
▼学校教育への信頼回復
各学校に設置している服務規律順守に向けた特別委員会を活用し、相互啓発を推進。教職員に服務規律の順守を徹底することで、地域・家庭との信頼関係の構築、学校教育への信頼回復により一層努めるなど、各学校で実効性のある取組を実施する。
(市町村 2021-06-22付)
その他の記事( 市町村)
網走市教委 児童生徒の1人1台端末 臨休時等に持ち帰り 7月から訓練 ルールも整備
【網走発】網走市教委は、臨時休業などの緊急時において児童生徒1人1台端末の持ち帰りを実施する方針だ。7月上旬から各学校で緊急時を想定した持ち帰り訓練を行い、各家庭の接続状況などを確認する予...(2021-06-25) 全て読む
豊頃町3年度教育行政執行方針 小中一貫教育を推進 合同行事、教員相互派遣など
【帯広発】豊頃町教委の中川直幸教育長は、11日に開かれた町議会定例会において、令和3年度教育行政執行方針を説明した。豊頃中学校改築に併せて小中連携、その先の小中一貫教育を効果的・効率的に展...(2021-06-25) 全て読む
鹿部町教委 家庭学習用端末整備 1人2台活用で気づき生み 教員へのICT研修開始
【函館発】鹿部町教委は町内の児童生徒に対し、授業用と家庭用の1人2台端末を整備している。昨年9月、町独自でタブレット端末を用意し、緊急時にも学びを止めない体制を構築。現在、家庭用の端末とし...(2021-06-24) 全て読む
奥尻町3年度教育行政執行方針 デジタルドリル活用 ICTの実証モデル構築
【函館発】奥尻町教委の新谷順二教育長は令和3年度教育行政執行方針において、国のGIGAスクール構想を踏まえ、遠隔学習やデジタルドリルなどを活用した「奥尻教育STEP―UPプロジェクト」に取...(2021-06-24) 全て読む
奥尻町2定補正予算 教育費607万円 情報機器整備など
【函館発】一般会計総額2億3930万円を追加する奥尻町の補正予算案が、17日の第2回定例町議会で成立した。 補正後の総額は41億4168万円。うち教育費は607万円を追加し、2億557...(2021-06-23) 全て読む
愛別町3年度教育行政方針 英検受検料を助成 学校給食導入見据え取組
【旭川発】愛別町教委の馬場信明教育長は、15日の令和3年度町議会第2回定例会で3年度教育行政方針を説明した。英語検定の検定料を助成し、英語への学習意欲を高め、英語力向上を図る。小中一貫教育...(2021-06-22) 全て読む
石狩市内全小・中が実施 端末持ち帰り 夏期休業中に 双方向交流 休業明けも検討
石狩市教委は、夏季休業期間における市内全小・中学校児童生徒の端末の家庭への持ち帰りを認めることを決めた。各家庭の通信環境を確認し、双方向で交流予定。夏季休業明けにおいても、各校の状況に応じ...(2021-06-18) 全て読む
函館市教委 3年度モデル事業 ICTで不登校生支援
【函館発】函館市教委が実施する令和3年度モデル事業の概要がまとまった。計3事業に13校を指定。うち、本年度新たに取り組むのは「ICT等を活用した不登校および不登校の傾向がみられる児童生徒へ...(2021-06-18) 全て読む
富良野市教委 4年度 布礼別小閉校 東小と統合へ
【旭川発】富良野市教委は、令和5年3月31日をもって布礼別小学校を閉校し、東小学校と統合する。布礼別小学校の未来を考える会から提出された要望書を踏まえて決定したもの。今後は、統合後の教育的...(2021-06-14) 全て読む
村立学校1人1台端末持ち帰り 学習以外の使用禁止 新篠津村教委が貸与規定
新篠津村教委は、村立学校における児童生徒1人1台端末の持ち帰りに関して、学習者用学校情報機器端末貸与規定をまとめた。緊急時・災害時の臨時休業等を想定し、端末を適切に管理するため作成。他者に...(2021-06-14) 全て読む