旭川春光台中 端末活用し授業改善 複数教室で授業同時展開 オンライン試行で課題検証等
(道・道教委 2021-06-25付)

旭川春光台中オンライン授業試行社会の授業
端末とプリント学習を併用した社会の授業

 【旭川発】道教委の授業改善推進チーム活用事業における端末活用チーム配置校・旭川市立春光台中学校(大城亮二校長)で16日、緊急事態宣言を踏まえた校内におけるオンライン授業が試行された。1人1台のタブレット端末を活用した理科と社会の授業を計4教室で同時展開。旭川市教委の協力でハード面の課題を検証しながら、成果を全校に広げていく。

 道教委の授業改善推進チーム活用事業では、本年度から旭川市に端末活用チームを新設。国語や算数・数学の授業に限らず、各教科等で1人1台端末を活用した授業を実践するとともに、成果を全道に普及させる。

 朝日小学校・神楽岡小学校、緑が丘中学校・春光台中に1人ずつ配置された授業改善推進教員がチームを組み、1週間単位で同一の配置校に勤務。そのほかの市内全小・中学校を連携校と位置付け、それぞれ年に2回程度巡回することによって、全市で好事例や課題を共有する。

 今回は、新型コロナウイルス感染症への対応の一環として、端末の家庭の使用や分散登校時を想定し、1学級の生徒を2教室に分けたオンライン授業を実施。吉田健太教諭による2年生社会、井本学教諭による2年生理科を同時展開した。

 A教室で教科担当が授業し、離れたB教室にいる生徒が個々の端末で受講。両教室の状況が分かるよう、大型モニターを設置して互いの学習風景を映し出した。また、音声が聞き取りやすいよう、一人ひとりにイヤホンを配布した。

 市教委は、4教室同時展開による通信の負担などを検証し、今後のネットワーク強化に役立てるため、ネットワーク管理会社に協力を依頼。GIGAスクールサポーター2人を派遣して機器の動作状況などを確認することで、ハード面の課題を明らかにすることをねらった。

 各教室では、推進チームの前田佳希教諭(春光台中)と北村裕美教諭(緑が丘中)が授業を支援した。

 社会では、プリント学習と端末活用を組み合わせ、江戸幕府の外交政策について学習。板書をスライドで示し、重要語句などをプリントに記入させたり、問題に取り組ませたりした。

 酸化還元反応について学習する理科の授業では、教師が実験する様子をライブ配信。B教室の生徒に臨場感が伝わるよう、手元にカメラを寄せて大きく映し出した。

 個人作業の際には、できた生徒が「手を上げる」機能を使って反応をすることで、教師が両教室の生徒の様子を画面越しに一目で確認できるようにした。

 授業を振り返り、授業者や推進教員は「板書の代わりにスライドを提示する際の説明のタイミングが課題」「通信不良や、生徒の端末の動作不良などの際に対応できるハード面の備えが必要」「それぞれのビデオ会議アプリの良さを検証して使い分ける必要がある」などと話していた。

 参観者からは「これまで、授業でICTを使う意義やルールなどについて校内で共通理解を図っていたため、今回の趣旨を理解して取り組む生徒の様子や、通信トラブルに積極的に対処しようとする生徒の姿がみられた」などの声が上がった。

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旭川春光台中オンライン授業試行井本教諭
手元の実験道具を映し出す井本教諭

(道・道教委 2021-06-25付)

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