十勝局等 人材育成プロジェクト 地元で働く意欲高揚を 帯広の2校指定し仕組み構築
(道・道教委 2021-06-29付)

 【帯広発】十勝教育局と十勝総合振興局は本年度、十勝人材育成プロジェクトを立ち上げる。専門学科や普通科に通う高校生を対象に、管内の先端企業や一次産業などでインターンシップを体験。教育とOJT(現任訓練)による職業訓練を同時に行ったり、先端企業による研究内容にふれたりするなどして、地元で働く意欲の高揚を図る仕組みを構築する。本年度は、推進校として帯広市内の2校を指定する方向で調整。令和5年度の本格実施を目指す。

 本年度の十勝総合振興局人口減少対策事業の一環。本年度の道教委への教育局プレゼンテーション採択事業となっている。

 ことし3月末の管内新規高卒者における就職状況をみると、就職希望者全体の23・8%に当たる485人が管内企業に就職。高卒時の管外への転出が多数にのぼっている状況が明らかになった。

 普通科に通う高校生のインターンシップ参加率が9割を超える学校がある一方で、2割程度にとどまる学校もあるなど、学校ごとに大きな差が生じている。

 十勝教育局は、管内の人口減少対策に当たって、地元企業等との連携を一層図り、児童生徒の発達段階に応じたキャリア教育を進める必要があると認識。十勝総合振興局と連携し、十勝人材育成プロジェクトに取り組むこととした。

 取組の柱は、①十勝の新たな企業実習制度「とかち版デュアルシステム」の構築②実習制度を行うための「十勝人材育成会議」設置―の2点。

 デュアルシステムは、学校での教育と職場でのOJTによる職業訓練が同時に受けられる職業教育システム。専門学科では、教室での座学と企業での実習を組み合わせ、専門的な知識・技能を活用できる企業や実習先でインターンシップに取り組む。

 普通科では、先端的な事業や研究を行う航空宇宙産業や研究機関などで実習することで、高度な知識や技能にふれ、ふるさと十勝への誇りや愛着、勤労観、職業観を養うことをねらう。

 制度創設に向けては、総合振興局、教育局、道高校長協会十勝支部、道特別支援学校長協会十勝支部、大学・短大、商工会議所、青年会議所、中小企業家同友会、建設業協会、農業関係団体などを構成員とする十勝人材育成会議を設置。教育界・地元企業等との連携を促進し、企業実習の在り方について詳細を検討しながら、高校における探究活動を支援する。

 本年度はプロジェクトの在り方を検討するとともに、帯広市内の専門学科・普通科高校1校ずつを推進校に指定し、試行およびその成果を検証する。4年度には協力企業の拡充および企業実習実施校の拡大を図り、5年度の管内全校での実施を目指す。

 このほか、小・中学校への道徳動画教材やキャリア学習教材の提供なども検討していく。

(道・道教委 2021-06-29付)

その他の記事( 道・道教委)

3年度主幹教諭(札幌市除く) 348人 2年度比9人増 複数配置は5校に 道教委

表  道教委は、札幌市を除く道内公立学校における主幹教諭の令和3年度配置状況をまとめた。2年度から試行した複数配置校は、帯広市立帯広第八中学校、手稲養護学校の新規2校を含めて5校。配置人数は前年...

(2021-06-30)  全て読む

初山別中 働き方改革実施計画 在校時間縮減日を設定 複数体制生かし部活動休養

 【留萌発】道教委の働き方改革推進事業の指定を受けた初山別村立初山別中学校(嶋本佳世子校長)は、令和3年度実施計画をまとめた。スクール・サポート・スタッフの清掃補助を通して清掃時間を短縮する...

(2021-06-30)  全て読む

第2回高校配置計画検討協議会 7月8日 檜山から

 道教委は、7月8日の檜山学区を皮切りにすべての学区で第2回公立高校配置計画地域別検討協議会を開催する。各地区に設置する会場およびウェブ会議システムを活用し、学区ごとに最終意見調整を行う。 ...

(2021-06-30)  全て読む

IT力向上データサイエンス活用促進 探究過程を高度化 道教委 高校生の課題解決力支援

 道教委は本年度、高校生「IT力」向上「探究的な学習活動におけるデータサイエンス活用促進事業」を展開する。道、札幌市、北海道大学、㈱ニトリホールディングスと連携。4者が高校生に実践的なIT活...

(2021-06-30)  全て読む

道教委 がくえんネット交流会 職員室の座席配置は 日常感じる内容を情報交換

道教委がくえんネット交流会  他の学校に気軽に聞いてみませんか?―。道教委は24日、義務教育学校、教育局、市町村教委などをオンラインで結び、がくえんネット交流会「つながる」を開いた。主にフリートークがメーン。参加者は職...

(2021-06-29)  全て読む

7月の会議で諮問 道教委 新たな教育推進計画 来年4月骨子案 5年3月策定へ

 道教委は24日の教育委員会で、令和5年度にスタートする新たな道教育推進計画の策定に向け、道教育推進会議に諮問することを決定した。7月に開催する道教育推進会議に諮問し、来年4月に骨子案を作成...

(2021-06-28)  全て読む

旭川春光台中 端末活用し授業改善 複数教室で授業同時展開 オンライン試行で課題検証等

旭川春光台中オンライン授業試行社会の授業  【旭川発】道教委の授業改善推進チーム活用事業における端末活用チーム配置校・旭川市立春光台中学校(大城亮二校長)で16日、緊急事態宣言を踏まえた校内におけるオンライン授業が試行された。1人1...

(2021-06-25)  全て読む

7月1日から各管内で 道教委 3年度幼児教育課題研修

 道教委は、幼児教育課題研修の本年度開催日程をまとめた。7月1日の石狩管内でのオンライン開催を皮切りに各管内で順次実施。児童虐待の早期発見、防災教育の充実に向けた説明・協議を行う。  幼児...

(2021-06-25)  全て読む

命と学びを守る共同宣言 第2弾 家族の健康把握など追加 新たにPTA3団体参加

 道教委をはじめとする道内教育関係28機関・団体は24日、新型コロナウイルスから「子どもたちの命と学びを守る」共同宣言(第2弾)を採択した。4月に採択した前回の宣言から道PTA連合会などPT...

(2021-06-25)  全て読む

檜山局独自 町教委・小・中校長交流会 クラウド活用例等紹介 省力化、新しい学びの可能性

檜山局小中学校長情報交流会  【函館発】檜山教育局は22日、管内各町教委および小・中学校長情報交流会をオンラインで開催した。1人1台端末の活用状況などについて、管内小・中学校の管理職や町教委が独自の取組などを報告。うち...

(2021-06-25)  全て読む