紋別市教委　地域部活動推進事業　持続可能な体制を構築　取組共有へ検討　運営会議

（市町村 2021-08-04付）

　【網走発】紋別市教委は、持続可能な部活動の体制づくりに取り組んでいる。国の新規事業である地域部活動推進事業のモデル地域として取り組んでいるもの。文化部活動では、６月から地域文化倶楽部を開始。地域人材が茶道や琴などを指導している。窓口業務や外部と調整などを担う部活動サポーターを２人配置し、教員の負担軽減につなげている。運動部活動は、女子バレーボール部などの地域移行、全中学校３校での合同実施に向けて検討を進めている。

　紋別市教委は、市内すべての中学校３校（紋別中学校、潮見中学校、渚滑中学校）を拠点校に「休日運動部活動の段階的な地域移行」「合同運動部活動等の推進」「文化部活動の段階的な地域移行」の３枠で取組を進めている。

　市内では、生徒数や教員数の減少に伴い、部活動の数も年々少なくなっている。紋別中では令和２年度に野球部、女子バスケットボール部、男子バレーボール部、総合芸術部（美術部と茶道部を統合した部活動）が廃部に。潮見中では平成３０年度に女子バレーボール部、陸上部、美術部が廃部となった。

　特に文化部活動は、吹奏楽部（紋別中、潮見中）、美術部（渚滑中）のみとなり、生徒の選択肢が狭まっていることが課題となっている。

　市教委は、協調性や社会性の育成、体力や集中力の向上、生涯の友人を得ることなど、部活動を生徒が成長する過程で重要な機会ととらえ、持続可能な部活動の体制づくりなどに取り組んでいく。

　文化部活動については、３校の生徒を対象とした地域文化倶楽部を立ち上げ、６月下旬から活動している。茶道、琴、書道、ヒップホップダンスの４つの活動を提供。市内の認定ＮＰＯ法人が実施する各種講座で講師を担当する人などが指導に当たっている。

　活動の推進に当たって、部活動サポーターを２人配置。地域部活動の窓口業務、外部との調整、アンケート調査などによる課題等集約、地域人材の掘り起こしなどを担当。これまで教員が担っていた業務を行うことで、教員の負担軽減にもつなげていく。

　運動部活動については本年度、女子バレーボール部、女子バスケットボール部、野球部で実施を検討。３校合同で取り組めるよう、現在、各学校や関係機関との調整を進めている。

　今後、市教委担当者、各中学校の校長と学校運営協議会代表、関係団体担当者などで構成する検討・運営会議を開催予定。事業の実施・運営方針の検討、取組の共有や検証、普及方法の検討などに取り組む方針。

　将来的には、近隣町村（興部町、滝上町、雄武町、西興部村）も含めた広域的な取組への拡大、紋別高校との連携なども構想している。

(市町村 2021-08-04付)