紋別市教委　開かれた教育行政へ　時間等工夫し傍聴者増加　一部審議を初公開　参加容易に

（市町村 2021-08-25付）

　文部科学省の教育委員会の現状に関する調査（平成３０年度間）によると、教育委員会会議の年間傍聴者数の平均は、市町村では５・７人。年間傍聴者ゼロの市町村の割合は６５・４％にのぼる。

　また、会議の議事録を作成している市町村の割合は９９・７％にのぼるものの、議事録をホームページで公開している割合は５３・１％となっている。

　紋別市教委でも、住民への説明責任を果たせる状況になっていないという課題を抱えていた。担当者は「数年前から傍聴の呼びかけを強めているが、それまでは報道機関以外の傍聴者がゼロという状況が続いていた」と話す。

　教育委員会会議での議論を深め、市民へ広く教育行政について知ってもらうため、市教委は会議の開催に当たって、様々な取組を進めている。

　１９日に開かれた第８回定例会の議案は、「教育に関する事務の管理および執行状況の点検および評価報告について」など５点。教育に関する事務の管理および執行状況の点検および評価報告の内容は、教委への報告後に市議会へ報告するため、これまで非公開としていた。しかし、教委の施策を網羅的に取り扱う内容のため、市民に教育施策を意識してもらう機会ととらえ、初めて公開した。

　「開会時間を、通常の午後１時３０分から午後４時にする」「会場を、通常の会議室（７８平方㍍）から特別会議室（１９１平方㍍）にする」「ホームページでの傍聴案内告知に加え、教育委員会に関連する各種委員会委員に傍聴を呼びかける」など、住民が参加しやすい工夫を取り入れた。

　当日の議案説明では、書面に加え、プレゼンテーションソフトで写真を多用したスライドを作成し、施策を分かりやすく説明した。スライドは、後日ホームページでも公開する予定。

　市教委は「傍聴者増が図られたことだけでなく、説明を住民に分かりやすい形とすることができた」と話している。

(市町村 2021-08-25付)