十勝小・中校長会 研究大会 コロナ禍の経営を学ぶ トップリーダーとして研鑚(関係団体 2021-08-23付)
会員ら91人が参加
【帯広発】十勝小・中校長会(喜多敦会長)は8月上旬、幕別町内の十勝幕別温泉グランヴィリオホテルで第53回教育研究大会を開いた。会員ら91人が参加。研究主題は「ふるさとを愛し、ともに新たな時代を切り拓く子どもを育む小・中学校教育の推進」。実践発表などを行ったほか、組織変革に取り組む企業経営者が講演し、コロナ禍での人材育成などを紹介した。参加者は、学校管理職のトップリーダーとして資質向上に努めた。
同会は本年度、学習指導要領の趣旨や教育振興基本計画、十勝管内教育推進の重点などを指針に、第18次教育研究3ヵ年計画の2年次として研究を推進している。
2年ぶりとなった大会では、開会に先立ち、採用校長28人に対する歓迎セレモニーを開いた。喜多会長は①人との出会いを大事にする②最大の教育環境は人であり教師―の2点を示し、先輩校長として助言。「“チーム学校”として、自校のチーム力を高めて」とエールを送った。
採用校長を代表して幕別町立糠内小学校の笠原聡校長が決意表明。トップリーダーとして学び続ける姿勢を忘れず、次代を担う子どもたちの育成のため、十勝らしい学びの実現を目指すことを誓った。
大会に移り、喜多会長があいさつ。半世紀にわたり教育課題の解決に向けた研究を進め、十勝教育の充実・発展に寄与してきたことを強調。会員一人ひとりが1校を預かる最高責任者としての自覚と責任をもつよう促した。「子どもの成長の歴史に責任を負う」との指標のもと、「教育課題の解決と十勝の子どもたちの未来につながる大会となれば」と期待を寄せた。
続く来賓あいさつで、十勝教育局の村上由佳局長と十勝管内教育委員会連絡協議会の加賀学会長が登壇。
うち、村上局長は持続可能な社会を実現していくため、子どもたちが自ら主体的に考え責任ある行動がとれるようになることの重要性を指摘した。教師の指導力向上の大切さを説き、誰一人取り残すことのない学びの実現に向けて、自校の現状や課題の把握・分析、教員の意識改革を要請。その上で、デジタル化への対応や新たな学びの確実な定着などを求めた。
このあとの分科会では、新得町立屈足中学校の横山一仁校長が組織運営、音更町立緑陽台小学校の大庭奈穂子校長が教育課程、上士幌町立上士幌小学校の目黒雅博校長が危機管理について実践事例を報告した。
大会では、帯広市を拠点に情報誌を発行するソーゴー印刷(株)の高原淳社長が講演した。
演題は「コロナ禍における企業経営~DX(デジタルトランスフォーメーション)による業態変革への取組」。社会情勢が急激に変化する中、時代に取り残されない老舗企業の新しい事業を紹介。組織で変革に取り組むことの大切さを説いた。
高原社長は、新型コロナウイルス感染症拡大、ICTとオンラインが一体化したDXによる社会の急激な変化に対応していくため、「地域のあらゆる組織が変革に取り組むべき」と問題提起した。
そのためには、「仕事を楽しみながら、心が充足する“愉しみ”を取り入れて、人材育成をしていくことが必要」と説いた。
近年の社会情勢の変化や技術革新に対応していくため、同社では各種雑誌を発刊して“情報を売る”ことから、ライフスタイルや地域企業の在り方を伝える“考え方を売る”に経営方針を転換したことを伝えた。方針を踏まえ、スローライフな暮らしを体験する旅行ツアーの開発や、マレーシアと管内の企業経営者交流会の企画、商品パッケージをデザインまで行う印刷の提案、地域の魅力を生かすイベントの開催など、印刷業の枠を飛び越えた新しい取組を進めていることを紹介した。
まとめとして、「ペーパーレス化の加速する中、“印刷”を掲げる企業として老舗の強みを生かし、自ら変わり続けて成長し続ける企業でありたい」と締めくくった。
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高原社長
(関係団体 2021-08-23付)
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