美唄中３年・鹿糠教諭「炭鉄港」配信　まちのよさ　発信考察　ＮＩＥ全国大会特別分科会

（関係団体 2021-08-30付）

地域の課題を踏まえた授業を展開

　第２６回ＮＩＥ全国大会札幌大会２日目の１７日、特別分科会や公開授業、実践発表がオンラインで配信された。うち、特別分科会では、美唄市立美唄中学校の鹿糠昌弘教諭による「炭鉄港」を取り上げた授業を配信。新聞記事から他校生徒の炭鉄港に関するＰＲ活動を紹介し、地元である美唄市の特色を発信するための学習につなげた。

　授業は、札幌市内の道新ホールからオンラインで配信した。主会場では炭鉱の記憶推進事業団の吉岡宏高理事長、（株）北海道新聞社旭川報道部の山口真理絵記者らが登壇。北海道の発展を支えた産業が戦後の国のエネルギー政策転換で衰退した歴史などを伝える日本遺産「炭鉄港」の概要を説明した。

　続いて、美唄中の鹿糠教諭による３年生公民の授業「日本の産業基盤を築いた日本遺産“炭鉄港”」を公開。前時までに、新聞の情報をもとに、炭鉄港の歴史や現状、地域の産業遺産として発信する地域住民らの活動を学習してきた。

　鹿糠教諭は、本時課題を「小学生や高校生の取組から炭鉄港について考えよう」と設定。導入時、全道の人口実態調査の新聞記事から、空知管内の人口比率を生徒に発問。減少傾向にあることや高齢化が進む現状を確認した。

　生徒たちは、新聞記事から他校による炭鉄港のＰＲ活動を調べた。生徒の約半数が三笠高校の土産品開発に注目し、「食を通じて、年齢などに関係なく炭鉄港に興味をもつことができると思った」などと話した。

　これまでの学習を踏まえ、地元のＰＲ活動を考える時間を設けた。美唄市における今後のまちおこしに、生徒自身が主体的にかかわる意識を高めるため、市のよいところをグループで交流。「地域の特色を発信する上で、“美唄らしさ”を大切にしたい」との意見が上がった。

　発表に対し鹿糠教諭は「地域の新しい特色をつくることも効果的だが、従来から続く地域独自の特色を広めることが大切」と伝えた。

　まとめとして、「自分たちが町をつくっていく」という意識をもち、今後の学習を進めるよう生徒たちに呼びかけた。

(関係団体 2021-08-30付)