札幌市子どもアシストセンター相談 168件増 3230件 2年度 子LINE相談最多(札幌市 2021-08-25付)
札幌市子どもの権利救済機関(子どもアシストセンター)は、令和2年度の相談状況をまとめた。相談実件数は、前年度比121件減の882件、延べ件数は168件増の3230件。子どもからの相談は延べ2031件で、うち、LINEによる相談が803件となり、電話やEメールでの相談よりも多かった。
平成21年度に開設したアシストセンターは、子どもに関する相談に幅広く応じ、適切な助言や支援を行うとともに、権利侵害からの救済の申し立てなどに基づき、問題解決に向けた調査や関係者間の調整を実施。救済委員が必要と判断した場合、勧告、意見表明、是正要請などを行う権限ももつ。
2年度の相談件数は、実件数が前年度比121件減の882件、延べ件数は168件増の3230件。電話による相談は、延べ1516件で16件増加した。
子どもからの相談は延べ2031件。うち、LINEによる相談が803件で全体の約4割を占めた。
子どもと大人を合わせた相談全体では、初回は電話、LINEでの相談が多く、全体の4割以上を占める。また、電話は複数回の相談になることが多いため、延べ件数でも全体の47%を占めている。Eメールによる相談は、やり取りに回数を要することが多いため、実件数は13・3%にとどまったが、延べ件数では23・8%となった。
相談者の内訳では、子ども本人からの相談が最も多く、全体の68・1%を占める。次いで多いのが母親からの相談で、両者を合わせると全体の92・5%を占めた。
相談してきた子どものうち、最も多いのは中学生で368件(41・7%)。次いで小学生239件(27・1%)、高校生165件(18・7%)の順となった。
相談内容の内訳をみると、子どもの相談では、友人関係が357件(17・6%)で最多。大人の相談では、不登校が234件(19・5%)で最も多かった。
新型コロナウイルス感染症に伴う休業期間中には、子どもからの相談で勉強の遅れ、休業中の課題等に関連する相談や、学習・進路関連、精神不安や性格についての相談が例年より多く寄せられ、大人からの相談は、学校生活関連の相談が大きく減少した一方、子どもの在宅時間が長くなることに関連した親子・兄弟関係、養育・しつけ等の家庭生活関係の相談が多かった。
子どもの置かれている状態が権利侵害であると疑われる場合で、調整活動や申立てには至らないものの、将来的に可能性があり、慎重に相談の経過を管理する留意ケースについて、2年度は39件の事案を指定。うち、4件の事案が調整活動の対象となった。
当事者同士の間に入る調整活動の件数は19件。うち、学校を調整先とする案件は11件で学校と子ども・保護者の間に立って問題をの解決を図った案件が多くなっている。
児童相談所を調整先とする案件は5件で、うち、3件は児童虐待が疑われる案件として、児童虐待の防止等に関する法律に基づき、児童相談所に通告した。
調整活動の延べ回数は453回で、元年度の168回と比べ大きく増加。特に学校を調整先とした事案では、子ども・保護者の学校等に対する不信を解消するため、時間をかけて面談などによる支援を繰り返した事例が多くあった。
子どもの権利侵害を個別に救済する救済の申立てや救済委員の自己の発意による調査を実施した案件はなかった。
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(札幌市 2021-08-25付)
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