道教委　外国人児童生徒支援へ連絡協　受け入れ体制の整備を　道教大の阿部准教授が講義

（道・道教委 2021-09-13付）

約５０人が参加し、日本語指導への理解を深めた

　道教委は８日、第１回帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援事業第１回連絡協議会をオンラインで開催した。道教育大学札幌校の阿部二郎准教授が帰国・外国人児童生徒の受け入れ体制の整備について講義。生徒の多様な背景への配慮や学校全体の受け入れ体制の留意点を紹介した。

　協議会は、日本語指導が必要な帰国・外国人児童生徒等が自信と誇りをもって生き生きとした学校生活を送ることができるよう、受け入れ体制の整備や特別の教育課程、日本語指導の在り方への理解を深め、指導力の向上を図ることで、各地域や学校における支援の充実に資することがねらい。

　日本語指導が必要な児童生徒等が在籍する市町村教委の職員、全校種の教職員、各教育局の指導主事約５０人が参加した。

　はじめに、道教委担当者が本道における外国人児童生徒等教育の現状と課題について説明。日本語指導が必要な児童生徒の増加、居住地域の散在化、使用言語の多様化など本道の傾向を踏まえ、日本語指導が必要な児童生徒を受け入れる体制づくりの必要性を示した。ＩＣＴを活用した初期指導の事例として網走市教委における取組を紹介し、道教委が作成したマニュアルや文部科学省の教職員・支援者向け研修動画の活用を呼びかけた。

　続いて、道教育大学札幌校の阿部准教授が「帰国・外国人児童生徒の受け入れ体制の整備」「日本語能力の把握」と題して講義。言語や文化、日本に来た理由・時期など児童生徒の多様な背景に配慮することなど、受け入れに当たっての留意点を紹介。異文化理解、多文化共生など学校全体の指導や受け入れ体制づくりのポイントを示した。

　また、ＪＳＬ児童生徒（日本語を第２言語とする児童生徒）への日本語指導のカリキュラムを紹介。特定の教科を意識せずに言語能力を養う「トピック型ＪＳＬカリキュラム」や、各教科の授業の構造に応じた「教科指導型ＪＳＬカリキュラム」を紹介した。

　このあと、各地域・学校における日本語指導が必要な児童生徒等に関する取組状況について交流・協議した。

　なお、第２回協議会は１０月１３日、第３回会議は１１月９日に開催する予定。

(道・道教委 2021-09-13付)