スポーツ庁　部活動改革へ検討会議　子ども第一の環境を　来年７月に提言まとめ

（国 2021-10-08付）

　スポーツ庁は７日、運動部活動の地域移行に関する検討会議の初会合を開催し、部活動改革に向けた議論を開始した。委員からは、「部活動は学校のもの」という従来の視点から脱却し、子ども第一の視点でスポーツ環境を整備する必要性を指摘する意見や、「令和７年度の夏の概算要求までに部活動改革の一定の成果を示すことが望ましい」との意見もあった。来年７月に提言をまとめる予定。

　部活動が教員の長時間勤務の要因であること、指導経験のない教員にとって多大な負担となっていることから、国は５年度から休日の部活動の段階的な地域移行を検討。本年度から各都道府県でモデルとなる拠点校（地域）を設け、実践研究を推進している。

　会議は、運動部活動の地域移行の着実な実施と地域におけるスポーツ環境の整備を目的として、地域における受け皿の整備方策などを検討する。

　議事では、スポーツ庁が今後の検討事項として「運動部活動改革の目的・目標」など１０項目を提示。学習指導要領における部活動の規定、入学試験、教員採用の位置づけなど関連諸制度の見直しを盛り込んだ。

　委員からは、自治体間のスポーツ環境の格差、指導・引率者の確保・育成、報酬となる財源の確保などを課題とする意見や、来年度から各自治体で議論できるよう要点をまとめ、円滑な移行を図るべきとの意見があった。

　初会合では将来的には休日のみならず、平日を含めた部活動の地域移行を視野に入れ、検討を進める方針を確認。地域移行の時期に関して委員からは、中学校の教員が過度に働きすぎることのないよう、少人数学級の移行を見据えた教育環境の整備が必要とし、７年度の夏の概算要求までに一定の成果を示す必要があるとの指摘もあった。

　中学校の関係者は「“部活動はあくまで学校のもの”ととらえていると非常に限定的になる。子どもファーストの視点に立ち、子どもたちが本当にやりたいスポーツができる環境を整えることが大切」と、意見を述べた。

(国 2021-10-08付)