文科省 初の不登校実態調査 3割が動機は「先生」 低学年への積極的支援必要(国 2021-10-07付)
文部科学省は、令和2年度不登校児童生徒の実態調査の結果をまとめた。不登校のきっかけは、「先生のこと」が小学生30%、中学生28%、登校時の腹痛など「身体の不調」が小学生27%、中学生33%と高かった。教育支援センターなどの施設を利用していない保護者の割合は約3割。低学年の児童生徒ほど誰にも相談しない割合が高く、文科省は積極的な支援が必要としている。
調査は、不登校児童生徒へのさらなる支援の充実等について検討する上での基礎資料とするため初めて実施。
調査への協力が可能と回答があった対象校に通う小学6年生または中学2年生で、令和元年度に不登校となり、令和2年12月1~28日に学校に登校、または教育支援センターに通所の実績がある児童生徒および保護者が対象。小6児童713件と保護者754件、中2生徒1303件と保護者1374件から回答を得た。
児童生徒が最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけ(複数回答、以下同じ)は、小中学生ともに「先生のこと」「身体の不調」「生活リズム」が高く、理由は多岐にわたる。また、「家族の世話や家事が忙しかった」(小学生1・1%、中学生1・2%)もあった。
学校を休んでいる間の気持ちは、「ほっとした・楽な気持ちだった」(小学生69・7%、中学生69・2%)、「勉強の遅れに対する不安があった」(小学生63・8%、中学生74・2%)など。
最初のきっかけとは別に、学校に行きづらくなる理由は「勉強が分からない」(小学生31・4%、中学生41・8%)が高い。
保護者からみた欠席時の子どもの状況は、「インターネットやゲームを一日中していた」(小学生65・2%、中学生68・2%)が最も多く「原因がはっきりしない腹痛、頭痛、発熱などがあった」(小学生56・3%、中学生63・9%)が続き、小中学生ともに同様の結果となった。
保護者による子どもとのかかわりでは、「子どもの気持ちを理解するよう努力した」(小学生96・2%、中学生93・5%)が高い一方、「どのように対応していいのか分からなかった」(小学生60・5%、中学生60・9%)との回答も多かった。
相談しやすい方法は、「直接会って話す」(小学生48・5%、中学生45・9%)、「メールやSNS」(小学生28・6%、中学生41・5%)が高かった。文科省は、両方を重複して選択した割合が低いため、状況に応じて相談方法を選択できることが重要と指摘している。
学校に戻りやすい対応は「特になし」(小学生57・1%、中学生54・4%)、「友達からの声かけ」(小学生17・1%、中学生20・7%)などが高かった。
保護者の回答では、教育支援センター(適応指導教室)などの公的支援機関に「利用できる環境であるが利用していない」(小学生28・8%、中学生33・8%)。文科省は、支援の必要性を認識していなかったり、相談先が分からなかったりするため、相談窓口の周知やアウトリーチ型支援が必要としている。
児童生徒が学校に行きづらいことを相談した相手は、「家族」(小学生53・4%、中学生45・0%)、「誰にも相談しなかった」(小学生35・9%、中学生41・7%)と高く、家族以外に相談できている割合は低かった。
学校の先生、保健室の先生、カウンセラー、友達に相談したと回答した割合は小・中学生いずれも低学年群ほど低く、文科省は低学年の児童生徒への積極的な支援が必要としている。
(国 2021-10-07付)
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