帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援 初期指導の重要性確認 道教委 第2回連絡協議会
(道・道教委 2021-10-18付)

帰国外国人教育支援協②
オンラインによる講義・演習で研鑽を積んだ

 道教委は13日、札幌市内の道第2水産ビルを配信会場に、本年度第2回帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援事業連絡協議会をオンライン開催した。道教育大学函館校の伊藤美紀准教授による「日本語指導の理論と方法」に関する講義・演習を通して、児童生徒の実態把握や教員間での情報共有、日本語初期における指導上の留意点などを確認。よりよい指導計画の作成に向けて研鑚を積んだ。

 協議会は、日本語指導が必要な帰国・外国人児童生徒等が自信と誇りをもって生き生きとした学校生活を送ることができるよう、受け入れ体制の整備や特別の教育課程、日本語指導の在り方について理解を深め、指導力向上を図ることで各地域や学校における支援の充実を目指すもの。

 日本語指導が必要な児童生徒等が在籍する全校種の教職員、各教育局の指導主事など約50人が参加した。

 はじめに、伊藤准教授が「日本語指導の理論と方法」について講義した。この日の目標として、①日本語初期指導プログラムの概要を知る②特別の教育課程としての日本語指導を知る③ICTに関する基礎的知識とスキルを習得する④指導計画を作成する―の4点を確認。

 外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント「DLA」を紹介。学校において児童生徒の日本語の能力を把握し、その後の指導方針を検討する際の参考となるもので、「入学時や編入時、転校時など、様々な機会で活用できる」と呼びかけた。DLAの利点として「話す」「読む」「書く」などの技能別に判定できる点を示し、「ツールを使って話し合うことで、児童生徒の実態を教員間で情報共有しやすくなる」と説明。「指導内容の具体化や指導計画の作成、よりよい見通しを立てることにつながる」と述べた。

 引き続き、日本語指導初期の段階における指導計画の作成について講義・演習。健康・安全や関係づくりなど、学校生活で日常的に使う言葉を指す「サバイバル日本語」の指導例では、実物やイラスト、ジェスチャーを使って場面を示し、繰り返し聞かせたり言わせたりする必要性を指摘。その際の留意点として、「文法を説明するのではなく、語いを増やすことに注力してほしい」「家庭内言語を日本語に強制すると、その子の母語の力を奪ってしまう」ことなどを挙げた。

 このあと、グループに分かれて、日本語初期段階の外国人児童生徒等への支援・指導の充実に向けた取組について交流・協議した。

(道・道教委 2021-10-18付)

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