道教委・道小・道中　ＩＣＴ活用部会　個別最適な学びの道具に　端末管理や現場の実践を共有

（道・道教委 2021-10-20付）

　道教委・道小学校長会（吉田信興会長）・道中学校長会（三浦利章会長）は１８日、ＩＣＴ活用部会の初会合をオンライン開催した。環境・授業の両面からオンライン授業の課題を学校・行政が確認。情報モラル教育の一層の充実、持続的な活用を図る授業デザインの構築の必要性を確認したほか、端末管理の好事例など現場の実践を共有した。端末の今後の活用では、「個別最適な学び」の道具とする工夫の必要性が提起された。

　部会は、端末を活用した授業改善やオンライン授業などの現状と課題を共有し、広域分散型の本道に適したＩＣＴ活用の方法や校長のマネジメントを支援・調整することを目的に設置。道教委から石川一美教育指導監をはじめ各課担当者４人、道小から７人、道中から６人の計１７人が参加した。

　初回の協議テーマは「双方向型オンライン授業実施にかかる課題の共有」。道小、道中から環境整備に関する課題として、家庭における通信環境の差や児童養護施設における通信環境の未整備、学校における備品確保が挙がった。

　中で、端末の持ち帰りに関し、ガイドラインの策定やルールの明確化など地域間で差が生じているとの報告が挙がった。東京都町田市で起きたいじめ事案を踏まえ、情報モラル教育の一層の充実が必要とし、規定時間はログインできないようにする端末管理の事例を確認した。

　また、オンライン授業の実施に当たって、ＩＣＴ機器に不慣れな教員への支援、家庭への緊急時の対応、担任が自宅から授業を配信するための授業マニュアルや校内体制の整備が必要との声が上がった。

　さらに、オンライン授業が不登校児童生徒への授業機会の提供に大きな役割を果たしていると報告。臨時的な対応のみならず、持続的な活用を図る授業デザインを構築する必要性を確認した。

　一方で、端末が指導するための教具にとどまることなく、「主体的・対話的で深い学び」「個別最適な学び」のための道具とする必要があるとし、家庭での学習の振り返りや整理、教員のアドバイスなど、試行錯誤しながら取り組んでいる現状を伝えた。

　続いて、道教委各課担当者が情報を提供。オンライン学習の好事例をＳＮＳやＩＣＴ活用ポータルサイトなどで発信し、学校を支援する考えを示した。

　石川教育指導監は「調査でみることのできない学校現場の声や課題が明らかになった。今後の施策や取組に反映して支援したい」と表明。高校においてもＢＹＯＤ（個人所有端末の持ち込み）で１人１台端末環境が整備されることを見据え、中学校における活用を高校側に伝える機会をつくるよう協力を呼びかけた。

　会議は今後も定期的に開催。次回会議は来年１月以降を予定している。

(道・道教委 2021-10-20付)