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道教委　数学授業改善セミナー・道央　問いや解答を可視化　札幌北陵高３年「微分法」
（道・道教委 2021-10-20付）

生徒の解答をモニターに映して説明

　道教委は１２日、札幌北陵高校（渋川誠人校長）で授業改善セミナー教科指導講座（道央ブロック・数学）を開いた。テーマは「“主体的・対話的で深い学び”の視点からの授業改善～指導と評価の一層の充実に向けて」。同校の泉融希教諭による３年数学Ⅲ「微分法」の授業を公開。直線の傾きを操作して、関数グラフと交わる様子をモニターに映すことで、問いや解答を可視化する授業を展開した。

　道高校未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業に基づくもの。教員の教科指導力の向上および主体的・対話的で深い学びの実現に向けて、授業改善の取組を推進することを目的としている。

　道央ブロック（石狩・後志・空知管内）は石狩教育局が主管。一部オンラインでの参加とし、全道の高校、中等教育学校の教諭ら５６人が受講した。

　はじめに、石狩教育局高校教育指導班の渡辺大輔指導主事が、学習指導要領改訂を踏まえた学習評価の在り方について説明。評価の観点や趣旨、基準の設定などを解説し、指導と評価の計画例や実践例を示した。

　続いて、同校の泉教諭が単元の指導計画や評価計画および授業等を説明し、研究授業を行った。

　授業公開は３年３組（４０人）を対象とした数学Ⅲ「微分法」の単元。数学Ⅱ「微分・積分の考え」での学習をより厳密に定義した上で、問題解決に向けてこれまでに得た知識や技能を判断して活用し、有用性や必要性を感じることを重要視している。

　本時では、ねらいに「２つの関数の共有点の個数について、導関数を用いてグラフの概形を考察したり、二次関数を用いてグラフの凹凸を考察できるようにする」を設定した。

　はじめに、数式によって求めた関数と直線の共有点の個数を確認。モニターに生徒の解答を示し、同じ解でも異なる解き方があることを紹介した。

　モニターに関数と直線のグラフを映し、直線の傾きが変わることで共有点の個数も変わる様子を見せ、問いの状況を可視化した。

　生徒は共有点の個数を「ゼロから２個の場合がある」と回答。泉教諭は「３個以上の場合」があるかどうかを問い、「関数グラフの曲線の先がどうなっているか」が課題となることへの共通理解を図った。

　数式を活用してグラフの概形を調べる時間を設けた。近くの席に座る生徒間で話し合い、学び合う姿がみられた。

　泉教諭は生徒の解答を撮影してモニターに映したあと、生徒に解説を求めた。生徒の解答をもとに、関数と直線のグラフを操作して検証。共有点が３個となる場合があることを視覚的に確認し、「どこで共有点が３個に切り替わるか」と発展的に問題提起した。生徒たちは前時までに学習した知識を活用して解を求めた。

　泉教諭は、次回の授業展開を「グラフを動かすことで可視化せず、理屈をもって共有点が３個になることを証明できるか」と周知した。