道教委 高校生防災サミット 防災の輪 全道に広げ 地域・命を守る提言発信
(道・道教委 2021-10-19付)

道高校生防災サミット
道内の高校生87人が参加し、提言をまとめた

 道教委は15日、道高校生防災サミットをオンライン開催した。テーマ「地域を守る 命を守る~高校生の私たちが、今できること」のもと、道内の高校生87人が防災・減災の取組を進める方策を協議。全道の高校生ネットワークを構築し、防災の輪を全道に広げることを決意する提言をまとめた。

 サミットは、高校生が地震、津波などの自然災害に対する防災・減災に関する協議・提言を行い、コロナ禍における高校生の防災意識向上を図るため初めて開いたもの。令和元年度に開かれた「世界津波の日」高校生防災サミットの成果をもとに、安全・安心な社会づくりに貢献できる資質・能力の育成を目指す。

 テーマは「地域を守る 命を守る~高校生の私たちが、今できること」。サミットに先立って参加者は事前に、自分たちの住む地域における防災の取組や現状、課題について学習した。

 当日、TKP札幌ビジネスセンターを主会場にオンラインで開催。道内の公立・私立高校27校から87人が参加した。

 開会に当たり倉本博史教育長は、全道の高校生が絆を深めるとともに、自然災害から地域を守り、安全で安心な地域づくりを担う将来のリーダーとなるよう期待。「サミットで得た成果を全道の高校生に発信し、防災に向けた取組を広げてほしい」と話した。

 続いて3分科会で、自校や地域における防災・減災の取組を交流。災害への備えや迅速な避難、コロナ禍における防災対策、家庭・学校で取り組む防災意識の向上などを話し合った。

 実践発表では、浦河高校と標津高校の生徒が発表。浦河高は高齢者への災害対応マニュアルの配布などの取組を紹介し、課題として、今後の活動の後輩への引き継ぎや生徒主体による避難訓練の企画・運営を挙げた。

 標津高は、地域オリジナルの避難所運営ゲームHUGの作成などの取組を伝え、小・中学校など発達段階に合わせた内容とするなど、一貫した防災教育の浸透を図る必要性を提起した。

 最後に、各分科会でまとめた提言を全会一致で決定。災害時に自らの命を守り抜くとともに、地域の防災力と一人ひとりの防災意識の向上に向けた決意を示し、防災の輪を全道に広げ、自然災害から、地域や命を守るため行動することを誓った。

 提言の概要はつぎのとおり。

 私たちは、豊かな自然あふれる北海道において、自然の恩恵と自然災害との両方の側面を理解して、それを受け止めながら暮らしています。

 本年、北海道高校生防災サミットが開催され、「地域を守る命を守る~高校生の私たちが、今できること」をテーマに、防災・減災の取組を進めていくために必要なことなどについて話し合いを行いました。

 私たちは、サミットで得た成果を学校や家庭、地域と共有して防災の輪を全道に広げ、今後直面する可能性がある様々な自然災害から、地域や命を守るために行動することを決意します。

▼災害時に自らの命を守り抜くために

▽私たち若者は、普段から地域とのつながりをもつために、思いやりを忘れずに行動します

▽私たち若者は、自分の身を守るための即決力と判断力を養うために、地域の災害の特徴や自分のことを知るよう努めます

▽私たち若者は、自分ができることを見つけ、主体的に行動します

▼地域防災力の向上のために

▽私たち若者は、ボランティア活動やイベントを主催して、笑顔であいさつすることで、地域とのつながりを強くします

▽私たち若者は、地域に合った避難訓練や避難を助けるハザードマップやポスターづくり、配布を行います

▽私たち若者は、記憶を風化させず、被災者の声を生かすイベントなどに取り組みます

▼私たち一人ひとりの防災意識を高めるために

▽私たち若者は、地域の特色を知り、家庭でできることに取り組みます

▽私たち若者は、学校内でも防災・減災の知識を学び続けます

▽私たち若者は、全道の高校生ネットワークを構築するとともに、私たちの取組を地域に広げます

(道・道教委 2021-10-19付)

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