マイスター・ハイスクール運営委員会　産業人材育成へ協議　文科省審議官ら静内農高視察

（国 2021-10-28付）

厩舎を視察する倉本教育長（右）

　【浦河発】道教委は２２日、静内農業高校（佐藤裕二校長）で本年度第２回マイスター・ハイスクール運営委員会を開いた。委員や文部科学省職員ら４０人余りが、競走馬の育成に関する授業を参観したほか、生産加工実習の様子、厩舎や馬場などの学校施設を視察。地域に求められる産業人材育成を目指す研究のさらなる充実に向け意見を交わした。

　文科省は本年度、地域産業の担い手を育てるマイスター・ハイスクール事業を開始。職業・専門教育が主の専門高校と自治体、産業界が一体で取り組み、専門高校での人材育成モデルを構築する。道内では静内農業高を指定校に、道教委、新ひだか町、ＪＡしずないが一体となって、地域に求められる産業人材の育成を目指す。指定期間は３ヵ年。

　第２回運営委員会には、委員長を務める大野克之新ひだか町長やＪＡしずないの西村和夫副組合長、道教委の倉本博史教育長をはじめ、文科省の淵上孝大臣官房審議官らが出席した。

　大野委員長はあいさつで、「学校の様子を見ていただき、今後の取組のさらなる充実に向けて、それぞれの立場から助言を」と呼びかけた。

　一行はこのあと、３年生の教室に移動し、オーストラリアで競走馬育成に携わる専門家からオンラインで講義を受ける様子を見学。北半球と南半球の季節のずれを利用し１年に２シーズン分の種付けを行うシャトルスタリオンの導入状況や、家畜のストレスをできる限り少なく、行動要求が満たされた健康的な生活ができる飼育方法を目指すアニマルウェルフェアの考え方など、日豪における生産・育成環境の現状や差異について学ぶ姿を視察した。

　施設見学では、産振棟での農産品加工や資源循環バイオ実習棟の機能、馬場や厩舎での繁殖・育成の様子を見て回った。

　倉本教育長は、「地域の産業界に支えられて、充実した学習が行われている。関係者の支援に感謝したい」と話していた。

　このあと、同校における教育活動一層の充実に向けて意見を交わした。

(国 2021-10-28付)