重要文化財指定で文化審議会　ニッカ余市蒸溜所を　旧三井銀行小樽支店も

（国 2021-11-22付）

ニッカウヰスキー余市蒸溜所施設（余市町教委提供）

　国の文化審議会（佐藤信会長）は１９日、重要文化財（建造物）の指定を文部科学大臣に答申した。本道からはニッカウヰスキー余市蒸溜所施設（余市町）、旧三井銀行小樽支店（小樽市）の指定を盛り込んだ。

　１９日の審議会文化財分科会における審議・議決を経て、１件の建造物を国宝に、１０件の建造物を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申。官報告示を経て、国宝・重要文化財（建造物）は２５４０件、５２８１棟（国宝２２９件、２９２棟を含む）となる。

　ニッカウヰスキー余市蒸溜所（事務所棟など１０棟）は、昭和初期に竹鶴政孝が創業。北海道における近代産業遺産として歴史的価値が高く、ヨーロッパ中世の城砦をイメージさせる事務所棟の正門や、赤いとんがり屋根と石造の外壁が特徴的な乾燥塔や貯蔵庫、ドイツ壁仕上げの木造洋館など調和のとれた外観となっている。

　旧三井銀行小樽支店（本館、附属家２棟）は、小樽の銀行街に建つ洗練された意匠の銀行建築。昭和２年建築の鉄骨鉄筋コンクリート造で、金庫室や保護預庫に鋼板を貼った防火防犯対策や、暖房などの設備機器を備えている。イタリアルネッサンス期のパラッツオの形式を復興したもので、当時欧米で潮流したスタイル、洗練された意匠を取り入れている。

この記事の他の写真

旧三井銀行小樽支店（小樽芸術村提供）

(国 2021-11-22付)