文科省　３年度補正予算案　教員用端末を整備へ　幼稚園の人材確保支援

（国 2021-11-26付）

　令和３年度文部科学省補正予算案が２４日の自民党文部科学部会で了承された。ＧＩＧＡスクール構想の推進に２１５億円を計上し、指導者用端末の整備やGIGAスクール運営支援センターの設置、ネットワークの全国一斉点検に着手。学校等の感染症対策や幼稚園における人材確保の支援などの経費を措置した。きょう２６日に閣議決定する見通し。

　補正総額は１兆５０００億円。このうち、今後運用開始となる大学ファンドの創設に６１１１億円、感染症の影響で困窮する学生への緊急給付金に６７５億円を計上した。

　初等中等教育に関連する主な事業をみると、学校等の感染症対策支援に３３１億円を計上。消毒液、CO２モニターなど保健衛生用品の購入、消毒作業の委託費、特別支援学校のスクールバスにおける感染リスク低減に必要な経費を補助する。

　ＧＩＧＡスクール構想の推進には２１５億円を計上。指導者用端末やオンライン教育推進のための機器を整備するほか、デジタル教科書の活用や配信基盤、幼稚園のICT環境整備に充てる。

　また、４年度概算要求で示したGIGAスクール運営支援センターの設置を盛り込み、学校や市区町村単位を超えて広域的にICT運用を支援。ネットワークの全国一斉点検も開始する。

　教育の質向上に向けたDX（デジタル・トランスフォーメーション）の推進に１２億円を計上。CBTシステムMEXCBT（メクビット）の機能改善・拡充、全国学力・学習状況調査のCBT化に向けた研究開発など、公教育データ・プラットフォーム（仮称）の構築を図る。

　特定免許状失効者の情報を即時閲覧できるデータベースの構築には１０億円を計上。教員が有する免許状や研修履歴等のデータベースと連携した新たなシステムを構築する。

　幼稚園の教育体制支援には３６億円を計上し、人材確保に取り組む幼稚園に必要な経費を支援する。

　子供の文化芸術の鑑賞体験等総合パッケージには５５億円を措置。文化芸術や伝統文化の鑑賞・体験・修得の機会を提供するほか、劇場や音楽堂における実演芸術の機会を提供する取組を支援する。

　学校施設等の整備には２２４９億円を計上。安全・安心の確保と新しい時代に対応した教育環境の向上に向け、学校施設の老朽化対策、耐震対策、ZEB（ネット・ゼロ・エネルギー・ビル）化を推進する。

(国 2021-11-26付)