斜里町朝日小 実践発表会で10授業 出来事を結び付け読む 4年国語 気持ちの変化とらえる(学校 2021-11-02付)
4年ひびき組の「プラタナスの木」
【網走発】斜里町立朝日小学校(吉本隆校長)は10月22日、同校で教育実践発表会を開いた。66人が参加。研修テーマ「学びを自分事化するためのしかけ~効果的なICT活用の探究」のもと、10授業を公開。千葉佑太教諭が指導した4年生国語では、場面ごとの出来事を結び付けて読むことに着目し、主人公の気持ちの変化をとらえさせる授業を展開した。
同校は、①児童が学びを自分事化するためのしかけ②ゴールから逆算した授業計画③効果的なICT活用―の3点を意識した授業づくりを通して、いきいきのびのび学ぶ子の育成を目指している。
公開した授業のうち、4年ひびき組「プラタナスの木」(児童数20人)は、千葉教諭が指導した。
単元では、「場面ごとの行動や会話など複数の叙述を結び付けながら読み、中心人物の気持ちの変化についてとらえ、自分にとっての物語の魅力を友達に伝える」を目標に掲げ、「中心人物の気持ちの変化」「自分の考え」を視点に物語の魅力を紹介する言語活動を設定している。
学びを自分事化させる手立てとして、児童一人ひとりから出された問いをもとに、学級全体の「読みの課題」を学習計画に位置付けている。「一人ひとりが物語の魅力を伝えるために、みんなで読みの課題を解決する」という目的意識を共有することで、主体的な読みや協働的な学びの充実を図っている。
ICTを活用し、単元計画や読みの課題、これまでの板書などを1人1台端末に蓄積。必要に応じて情報を確認したり取り出したりさせることで、主体的な学習につなげている。
本時は9時間扱いの5時間目。目標は「場面ごとの行動や会話など、複数の出来事を結び付けながら読み、マーちんのプラタナスの木に対する気持ちが変化したきっかけをとらえることができる」と設定した。
千葉教諭は導入で、1人1台端末を活用して板書をもとに前時の学習内容を振り返らせた。
また、単元計画を確認し本時のゴールを全体で共有。その上で、最初はプラタナスの木に関心が薄かったが、最後は木を大切に思うようになった主人公・マーちんたちの気持ちの変化を確認し、「最後のマーちんたちは、なぜ木のポーズをしようと思ったか」と課題を設定することで、学びの必要感を高めさせた。
つぎに、マーちんたちの気持ちが変化するきっかけとなった出来事や、その場面の気持ちを考えさせる活動へ。全体交流では、「おじいさんの話を聞いて木のすごさを知った」「木が切られていたのを見て、大切さに気づいた」などの意見が挙がった。
中で、「おじいさんの話をきっかけに興味が湧いてきて、台風が来たときにおじいさんの話を思い出したことで木への思いが強くなった」という児童の発言を取り上げ、場面ごとの出来事を結び付けて読んでいることに着目。複数の出来事をきっかけに、徐々に気持ちが変化していることを読み取らせた。
振り返りでは、「2つ以上の出来事を結び付けて書けている」「2つ以上の出来事を結び付け、さらにそのときの気持ちを書けている」などの評価基準を提示。ゴールを明確にすることで、本時の学習で身に付いた力をより実感させることをねらった。
授業後は、意見交流会を行ったほか、札幌市立屯田西小学校の渡辺道治教諭が「心を育む学級経営」と題して講演した。
(学校 2021-11-02付)
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