札幌市教委　新出退勤管理システム　長時間勤務解消で効果　ＱＲコードで手続き簡略化

（札幌市 2021-11-04付）

　札幌市教委は、市立学校等の教職員における働き方改革の推進に向け、本年度から新たな出退勤管理システムを活用した取組を試行している。ＱＲコードを活用したシステムを構築し、入力漏れなどの確認作業や紙管理だった手続きを簡略化。教職員の勤務実態や超過勤務傾向等を把握することで業務分担の見直しなど、教職員の長時間勤務の解消につなげている。新システムは今後、各校の成果や課題等を踏まえ、本年度中に全園・校に導入する予定。

　市教委は昨年６月、指針「市立学校における働き方改革に向けて」を策定。ワーキンググループを設置し、教育課程系、学校施設系、業務効率系の３つのテーマごとに長時間労働解消に向けた具体的な取組を検討してきた。

　前年度は新たにリモートアクセスサービスを試行的に導入したほか、冬季休業期間における休暇取得促進のため、冬季休校日を設定。柔軟な働き方の実現や、ワークライフバランスの充実を図ってきた。

　出退勤システムにかかわって現在、各校は自校のパソコンで、出勤、退勤をクリックして出退勤情報を反映させている。

　本年度は、これら作業を簡略化するため、ＱＲコードを活用した新たな出退勤管理システムを構築した。

　新たなシステムでは、ＱＲコードを用いた打刻およびＰＣ端末からの操作によって、出退勤情報を登録できるようにし、出退勤の漏れや集約、実績の把握をシステムで確認。紙で管理していた週休日振替などの情報もシステムで対応できるようにした。

　システムの導入によって入力状況がすぐ確認できるため、入力漏れなどの確認作業が簡略化されることや、週休日の振替等の紙管理だった手続きがシステム上で管理できるため、事務作業が簡素化される。

　また、実績の集計・把握がシステム上で確認できるため、勤務実態や超過勤務傾向等を把握することができ、業務分担の見直しや教職員の勤務傾向の把握にも期待できる。

　システムを試行実施している園・学校は年度当初、１０校程度だったが、１１月現在では幼・小・中・高合わせて５０校程度に導入。本年度中に全園・校での導入を目指す。

　今後は、各校に自校の実績を踏まえ、長時間勤務解消の目安として活用したもらうほか、全体の労働時間を把握し、傾向等分析することで、長時間勤務解消につなげる考え。

(札幌市 2021-11-04付)