全公社研　３年度北海道大会　未来拓く公民科教育を　作家・佐藤氏講演やシンポ等

（関係団体 2021-11-08付）

配信会場であいさつする大山会長（左から２人目）と新山会長（３人目）

　全国公民科・社会科教育研究会（＝全公社研）令和３年度全国研究大会北海道大会兼道高校政治経済研究会第４６回研究大会が４日から２日間、オンラインで開催された。大会テーマ「未来を拓く公民科教育の創造」のもと、作家の佐藤優氏による記念講演やシンポジウムを実施。全国から約２００人が参加し、公民科・社会科教育の一層の改善・充実に向けて研鑚を積んだ。

　全公社研、道高校政治経済研究会主催。当初、２年１１月の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で１年延期して開催した。

　大会テーマは「未来を拓く公民科教育の創造～“深い学び”に迫る“授業づくり”」。初のオンライン開催で、全国から約２００人が参加した。

　開会に当たり全公社研の大山敏会長は、コロナ禍にもかかわらず、高校の新学習指導要領と新教科「公共」開始に先駆けて大会開催に尽力した道内関係者に「全国の教員を支え、けん引しようとする貢献意識に感謝したい」と表明。

　また、衆院選で多くの高校３年生が選挙権を行使したことにふれ、社会への参画意識をかん養する公民科教育の役割をあらためて強調した。

　大会実行委員長を務める道高校政治経済研究会の新山知邦会長は、公民科教育に関する全国最上級となる本研究大会において各教員が研鑚を深める機会とするよう期待した。

　佐藤氏が「令和の時代の公民科教育に期待すること～子どもたちの幸せな人生のために」と題して記念講演。高校生・大学生の学力の問題、受験産業など教育や社会に関する課題を広く提起し、経済の動向を知り、社会問題に関する視野を広げる公民科教育の役割と重要性を伝えた。

　全体会では、北広島西高校の志波晴世教諭が「“公共”と教育格差をどう考えていくべきか」をテーマに発表。

　政治・経済分科会では稚内高校の鹿内詩織教諭、倫理分科会では札幌南高校の佐藤克宣教諭、大麻高校の倉部英利子教諭ら先進的な授業実践に取り組む全国の教員が研究発表した。

　２日目、代々木ゼミナール公民科講師の畠山創氏らが主体的・対話的で深い学びの公民科授業実践について講演。抽象的概念を定義・理解するレビューシート（要約）を活用した授業法、ＩＣＴの活用や課題を示した。

　最後に、「未来を拓く　自立した主体　の育成に向けて」をテーマにシンポジウムを実施。文部科学省初等中等教育局教育課程課の磯山恭子教科調査官と飯塚秀彦教科調査官、道高校政治経済研究会の川瀬雅之前会長、道高校「倫理」「公共」研究会の元紺谷尊広会長がシンポジストとして参加した。

(関係団体 2021-11-08付)