札幌市　ヤングケアラー調査開始　生徒５１０００人対象　学校１１２校　支援検討に活用

（札幌市 2021-11-15付）

　札幌市子ども未来局は、市立中学校、中等教育学校、高校、特別支援学校と生徒へのヤングケアラーに関する実態調査を開始した。初めて実施するもの。生徒への調査票では、育児・介護等が必要な家族の状況などを調査項目として設けている。対象は生徒約５万１０００人、学校１１２校。各家庭からのウェブ回答のほか、家庭にインターネット環境がない場合は紙媒体で回答する。調査結果は、ヤングケアラーの支援策等の検討材料として活用していく。

　ヤングケアラーとは、本来は大人が担うと想定されるような家事や介護、幼いきょうだいの世話などを日常的に行っている子どものこと。

　市は、ヤングケアラーの実態把握に向け、６月に子ども・子育て会議児童福祉部会に評価ワーキンググループ会議を設置。調査項目や調査方法に関する協議を重ねてきた。

　調査票は、生徒用と学校用の２種類。生徒用は、家族構成や育児・介護が必要な家族の状況、福祉サービスの利用状況、市や大人に求める支援内容で構成している。

　学校用は、ヤングケアラーに当てはまる可能性のある生徒への対応や関係機関との連携状況のほか、ヤングケアラーの把握や支援の具体的な対策などについての項目を設けている。

　生徒への調査は、各家庭からパソコン・スマートフォン等を使用するウェブ回答を中心に実施。家庭にインターネット環境がない場合や筆記での回答を希望する場合は、紙媒体の調査票と返信用の封筒を配布して対応する。

　調査は３０日まで。集計したデータは市のホームページに公開するほか、ヤングケアラーの支援策等についての検討・協議に活用していく。

(札幌市 2021-11-15付)