北理研第6回札幌支部理科教育研究大会 公開授業①西 岡 小(札幌市 2021-11-17付)
てこを活用して又釘を抜く実験を行った
道小学校理科研究会(=北理研、紺野高裕会長)は、10月7、21、28日の3日間、札幌市内の小学校3校で第6回札幌支部理科教育研究大会を開いた。研究主題「自然と向き合い、協働的に価値を創る問題解決」のもと、西岡小学校6年、緑丘小学校4年と5年、北九条小学校3年の3校4授業を公開。公開授業後には、学年別分科会を実施し、よりよい授業づくりに向け意見を交わした。ここでは、公開した4授業を指導案に基づき連載で紹介する。
◆認識のずれが対話生み出す 6年てこのはたらき 問題解決へ 西岡小6年3組(福本雄太教諭) てこのはたらき
【単元の目標】
▼知・技
支点から作用点までの距離や支点から力点までの距離と力の大きさを変えると、てこを傾ける働きが変わり、てこがつり合うときにはそれらの間に規則性があることを理解する。
▼思判表
10㌔㌘を軽くできることやてこの規則性について追究することで、てこを身近なことに活用しようとする意欲を高め、支点、力点、作用点の位置関係について妥当な考えをつくりだし、表現する。
▼主体
多様な実験結果の中から粘り強く共通点を見いだすことで、てこの規則性について学んだことを生かそうとする。
【本時の目標】
てこを活用して又釘を抜く活動を通して、第2種てこでも釘が抜けることに気づき、第2種てこにおける支点から力点、作用点までの距離と働く力の変化の関係について、調べる方法を発想して考える。
【本時の展開】
▼子どもの分かり方
〈前時まで〉
てこの規則性を発見し、てこが身の回りにどのように活用されているのか考えている。てこを活用すれば、又釘を鉄の棒1本で抜くことができると考えている。
▼学習課題「てこを活用して又釘を抜こう」
▽支点があれば、釘は抜けると思う
▽鉄の棒を差し込んでみたら抜けそうな気がする
▽何か下に挟んで支点をつくれば、てこになって抜けた
▽支点、力点、作用点の位置を考えて、鉄の棒を使ったら簡単に抜けた
▽下にものを挟んで支点をつくらなくても簡単に抜けた
▽力点と作用点の間に支点がないけど、これはてこなのだろうか
▽作用点と力点の間に支点がないのに弱い力で抜ける
▽支点が間になくてもてこのきまりが当てはまるのかな
▽てこならば支点からの距離×重さの計算が等しくなるはず
▽支点から作用点までの距離が短く、支点から力点までの距離が長いと大きな力が働くはず
▽支点から作用点の距離×重りの重さと、支点から力点の距離×ばねばかりの数値はほぼ一緒だ
▽鉄の棒の先端近くで抜こうとすれば、支点と作用点が近く、支点と力点が遠くなる
▽力点の近くで抜こうとすると、全然抜ける気配がない。てこの働きが弱いからだ
▽まとめ「支点が作用点と力点の間ではなく、端にあっても、支点と力点、作用点の距離によって、働きの大きさが変わる。これもてこのきまりが当てはまる」
【教師の意図とかかわり】
▽支点の場所による違いを際立たせるために、多様な抜き方を認めながら、てこの働きで抜けたと言えるのかを問う
▽対話:場構成・かかわり
第2種てこを用いなければ抜けない釘を抜く活動を設定する。この活動中に抜き方に対する考えを問うことで、これまで培ってきたてこに対する認識とのずれが浮き彫りになり、グループ内での対話が生まれる。
支点からの距離に着目しながら釘を抜こうとする姿を価値付けることで、第2種のてこの存在を明らかにしていく。板書を通して、支点の位置による働きの違いを明確にする。
(札幌市 2021-11-17付)
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