石狩教育研修センター　ＩＣＴ研究委　１人１台端末で投票体感　北広島市大曲中３年道徳公開

（関係団体 2021-12-21付）

端末に集中する生徒たち

　石狩教育研修センター（浅田眞所長）は、調査研究事業「ＩＣＴ活用実践授業にかかわる研究委員会」にかかる研究授業を管内４校で行っている。９日、北広島市立大曲中学校（濱本賢一校長）３年生道徳「一票を投じることの意味」の授業を公開。架空の立候補者の公約や演説を例示し、１人１台端末を活用して投票を体感させ、選挙の意義を考えさせる授業を展開した。

　事業は、研究主題「ＩＣＴを活用した授業力の向上～指導の効果を高めるＩＣＴ活用の実践研究」のもと、本年度から２ヵ年計画で研究を開始。１単位時間で端末を活用する場面や使用ソフトおよびアプリ、ノートと端末の併用、個別最適な学び・協働的な学びへの活用などについて、実践をもとに研究を進めている。

　今回、委員を務める管内小・中学校教諭４人が授業を公開し、協議を実施。９日は、大曲中で開催した。

　本時の３年３組道徳（熊坂旭教諭、生徒数３９人）は、選挙に関する教材からよりよい社会を実現するために大切なことを考えさせ、社会や公共の問題に目を向け、社会参画していくための思考力や判断力を育成することがねらい。

　熊坂教諭は導入時、Ｇｏｏｇｌｅ　Ｆｏｒｍｓで「選挙権は何歳からか」「選挙権取得が待ち遠しいか」を意見集約した結果をスライドに示し、政治や選挙の歴史を確認。選挙権取得に関して、生徒からは「投票することで政治を変えられる可能性がある」「誰に投票したらよいか分からない」などの意見が上がった。

　教材を読み終え、熊坂教諭は、選挙は「税金の使い道を考える人」を国民が選ぶ仕組みであることを説明した。架空の立候補者の公約例を提示し、Ｊａｍｂｏａｒｄを活用して各立候補者の表に名前を書いた付せんを貼付させ、どの候補者が票を集めているか可視化した。

　また、国内や北広島市内の話題を用いて演説を実演し、再投票。票の動きを見ながら、自分や周囲が大切に思う政策をあらためて考える場とした。熊坂教諭は「自分の生活や国の今後にとってよりよい公約は何かを考えることが選挙」と呼びかけた。

　このあと、生徒たちはＣｌａｓｓｒｏｏｍに、選挙権を取得するまでにできることなどを考えて記入。「自分や周囲が喜ぶ税金の使い道を考える」「ニュースなどから、国に足りないことや国民が困っていることを知る」などの意見が上がった。

(関係団体 2021-12-21付)