デジタル庁　４年度にこども支援事業　自治体データを連携　貧困・虐待などの課題解決

（道・道教委 2022-01-25付）

　デジタル庁は４年度、子どもに関する各種データの連携による支援実証事業の開始を計画している。教育委員会、保育・福祉・医療など自治体の各部局が有するデータ連携のシステムや体制を整備し、貧困・虐待等の社会的課題の解決、プッシュ型の行政サービスへの転換を図る。今後、参加自治体を公募し、制度面・運用面での課題を検証。連携するデータ項目に関しては、ことし６月を目途に一定の方向性を示す予定。

　２１日のこどもに関する情報・データ連携副大臣プロジェクトチーム（第２回）で明らかにしたもの。

　現在、各自治体では、教育・保育・福祉・医療などのデータを教育委員会や各部局で管理し、情報を活用して個別に対応している状況にある。

　これらのデータを分野横断的に最大限活用し、真に支援が必要な子どもの発見やニーズに応じた支援につなげるため、デジタル庁はこどもに関する各種データの連携による支援実証事業の開始を計画。関連経費として、来年度予算案の準公共分野デジタル化推進費に１０億９０００万円を計上した。

　実証事業は、各自治体における教育・保育・福祉・医療などのデータを必要に応じて連携するシステムや体制を整備し、貧困・虐待等の社会的課題の解決やプッシュ型の行政サービスへの転換、支援を必要とする子育て世帯への一体的な支援などの実現を図るもの。

　連携対象のデータは、教育委員会所管分では就学援助の利用状況、欠席日数、遅刻・早退の状況など、福祉部局においては生活保護や児童扶養手当の受給、虐待通告などが想定される。先行する自治体の例では、大阪府箕面市が子どもの経済状況、養育力、学力や非認知的能力などのデータを総合的に判定し、支援や見守りに活用している。

　こどもに関する情報・データ連携副大臣プロジェクトチームで今後の推進体制を検討しており、連携するデータ項目については、ことし６月を目途に論点整理をまとめ、一定の方向性を示す予定。自治体の体制は「子どもの情報を包括的に把握する部署を構築してデータベースを整備」または「関係部署を統合せず、データ連携によって情報を共有」のいずれかを検討している。

(道・道教委 2022-01-25付)