ネイパル森等　道南遺跡ガイド養成　地域発展へ魅力発信　森高生が環状列石等紹介

（道・道教委 2022-01-28付）

ガイドの模擬体験を行った

　【函館発】ネイパル森と森町教委が先行実施している人材育成事業「道南遺跡ガイド養成事業」の取組が本格化している。２１日、森高校（藤村学校長）で日本史を履修している３年生１８人が同校でガイドの模擬体験を行った。森町観光ボランティアガイドの会の会員を前に、道南最大規模の環状列石（ストーンサークル）などについて学習成果を披露。アイヌ民族の伝説などから得た仮説と根拠に基づき、地域の魅力を発信した。

　取組は地域の特色ある教育資源を生かし、まちの活性化を図るもの。道内６ヵ所のネイパルで次年度から先行実施する予定で、道南では、ネイパル森と森町教委、森高が連携。昨年７月に北海道・北東北の縄文遺跡群の世界文化遺産登録を受け、関連資産の鷲ノ木遺跡の魅力を発信する次世代のガイドを育成しようと企画した。

　生徒は昨年１２月下旬に、町教委の片山弘喜さんから鷲ノ木遺跡に関する講義を受講。縄文時代の土器や石器などの道具、道内最大級のストーンサークルについて学ぶなど、全５回の授業で模擬体験に向けた準備を進めてきた。

　２１日に同校で実施した模擬体験には、森町観光ボランティアの会の会員も参加。

　生徒は３グループに分かれ、鷲ノ木遺跡についてパネルなどを使いながら説明。あるグループは、鷲ノ木遺跡から想像できることとして「ストーンサークルは当時の人々の暮らしの豊かさと幸せの象徴だった」「縄文時代から鷲ノ木遺跡のあるまちが豊かで住みやすい場所だった」の仮説２点を提示。アイヌ民族の伝説「駒ヶ岳の生成物語」「茅部栗物語」から得た考察を示し、森町が道内で初めて火を使えるようになった町であることや、町名の由来となる「オニウシ」について、「木がたくさんあるところという意味を示す」ことを伝えた。

　また、「噴火湾や駒ヶ岳の誕生によって、生活が一層豊かになったのではないか」と考察した。

　町の発展に向けて、ライトアップを取り入れた催しや地元で収穫した野菜を取り扱うイベントの開催も提案。高校生ならではの視点から町の歴史を振り返るとともに、今後の地域の発展に向けた考察を発表した。

(道・道教委 2022-01-28付)