道教委 小・中・高英語教育支援合同研 相手意識し英語で交流 推進校・乙部中の授業動画配信
(道・道教委 2022-02-09付)

檜山管内小中高英語教育推進事業合同研修会
リモートで約30人が参加した

 【函館発】道教委は4日、檜山管内小・中・高校英語教育支援事業合同研修会をリモート開催した。檜山教育局主管。管内の小・中学校、高校の教諭ら約30人が参加した。乙部町立乙部中学校の西山公也教諭によるクイズを交えたコミュニケーション活動を実践する授業を公開。八雲町立熊石中学校の綿谷魁教諭が「これからの英語教育とパフォーマンステスト~言語活動を通した指導を目指して」と題して講話し、パフォーマンステストの評価方法や話すことに重点を置いた効果的な指導方法を紹介した。

 研修会は推進校による授業公開や推進校・協力校による実践事例の発表を通して、成果や課題を共有し、英語教育に関する指導内容や方法等の改善・充実に資することが目的。

 管内では、乙部小学校、乙部中を推進校、江差高校を協力校に指定。中学校教諭の小学校乗り入れ授業や中学校と高校の互見授業などの取組を進めている。

 公開授業では、乙部中の西山教諭と富樫耀教諭、ALTのクロエ・ヒドゥリさんによる授業動画を配信。

 1年生8人を対象に、好きな有名人や憧れの人を英会話で紹介する単元「My Hero」を指導した。

授業の導入に当たり、適宜簡単な英会話の場を設定。

疑問詞「What」を使用した複数の質問を提示したり、生徒がペアで身の回りの話題について交流するよう促したりした。

 単元における指導では、2つの歌手グループを生徒のヒーローとして設定し、再度ペアでの交流を実施。西山教諭がやり取りの手本を示し、相づちやつなぎ言葉など、英会話の必要事項を確認。段階を踏んで様々な表現を引き出せるよう「Who is My Hero?」と題して、生徒が自分の好きな俳優やスポーツ選手について英語で交流するよう促した。「女性」「歌手」など、ヒントを出し合いながらクイズ形式で会話させ、相手を意識しながらコミュニケーションを図る指導を展開した。

 続いて、熊石中の綿谷教諭が児童生徒のコミュニケーション能力を測る「パフォーマンステスト」の必要性や実態、評価の在り方について説明。小・中学校、高校における外国語教育の目標について確認し、小学校中学年の外国語科から「話すこと・聞くこと」など4技能の領域や言語活動が共通指導として求められていることを解説した。

 綿谷教諭は「会話や単語、キーセンテンスの指導については、ペアワークなどの言語活動後に実施している」とし、言語活動と指導を繰り返しながら授業を進行していることを紹介。パフォーマンステストにおける評価では「話すことの領域に焦点を置き、評価に一貫性を持たせている」と説明。自校の英語科授業における動画を提示し、参加者とともに評価方法を実践し、「教員が指導方法を振り返り、生徒が学習目標を見いだせるよう、指導方法を更新していくとよい」と呼びかけた。

 実践発表では、推進校の乙部小と協力校の江差高が自校の英語科における取組を報告。

 乙部小は外国語専科として町内3小学校で指導している大口望教諭が実践発表。児童が場面や状況、目的を明確化しやすいよう、ALTから外国の文化を学ぶ授業や児童一人ひとりに発表の場を設定させて表現力を身に付けさせる活動を紹介した。

 江差高の工藤大智教諭は自校のCAN―DOリストを指導用プリントで可視化していることを紹介。小・中学校の指導のつながりを意識した指導や、教員同士の共有に効果的であるとした。

 また、乙部中との互見授業によって、小・中学校の既習を意識した指導につなげていると説明。生徒の英語に対する苦手意識を減らす様々な活動を紹介した。

 研究協議では、「Hokkaido CAN―DOリスト」に基づく学習到達目標の設定や学習内容の系統性、学年・校種間の円滑な接続について参加者がブレイクアウトルームに分かれて自校の取組や今後の指導について情報共有した。

(道・道教委 2022-02-09付)

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