興部町４年度教育行政執行方針　興部高に公営塾開設　キャリア・パスポート作成

（市町村 2022-03-16付）

畑山教育長

　【網走発】興部町教委の畑山研二教育長は、８日開会の第１回町議会定例会で４年度教育行政執行方針を説明した。学校間・校種間の接続をより円滑にするため、キャリア・パスポート作成を推進していく考えを示した。興部高校への支援については、新たに校内に公営塾を開設する方針を明らかにした。

　概要はつぎのとおり。

▼確かな学力を育む教育の充実

▽学習習慣の確立・学力向上と個別指導の充実

　学校と家庭の連携によって学習習慣の定着を図るため、学年別の家庭学習の手引きを配布し、子どもたち自らが計画を立てて取り組む習慣の形成に努める。

　小中学生を対象に興部高生による学生ボランティアを活用し、長期休業中における補習学習サポートを実施していく。

　各教科の指導では、チーム・ティーチング、個人差が生じやすい教科や領域などにおける少人数指導や課題別指導など、個に応じた指導方法を工夫し内容の習得に努めていく。

　沙留小学校では、児童数の減少によって５・６年生において複式学級となることから、町として臨時教員１人を配置し、複式学級解消による指導体制の充実を図っていく。

　全国学力・学習状況調査や標準学力検査等の結果分析を行い、実効性ある検証・改善サイクルを確立するため、学校改善プランの作成、学校の実態に応じた授業改善の取組など全ての教職員が一つのチームとなり学習の質を高める指導や支援の充実に努めていく。

　幼稚園等から小学校、中学校、高校へと学校間・校種間の接続をより円滑にするため、キャリア・パスポートを作成する取組を進めていく。

　また、中１ギャップ解消に向けて日ごろから子どもたちの交流を図り、中学校と高校についても入学時に情報交流を進めていく。

　幼児教育から小学校入学についても、教員間の交流などによって、子どもたち一人ひとりの状況を共有し、小１プロブレムの解消に向けたスタートカリキュラムの作成によって、入学への不安解消と学びの継続に努めていく。

　外国語教育の充実については、教員に対し外国語教育研修への参加を促すとともに、ＡＬＴとの連携や中学校英語教諭による乗り入れ授業の実施などによって英語力向上に向けた授業改善の取組を進めていく。

▽ＩＣＴ教育の充実

　ＩＣＴ教育については、１人１台端末を活用した教育のデジタル化への対応として、専門的な知識を持つＩＣＴ支援員を配置するとともに、デジタル教科書、学習支援ソフト等の導入によって授業や家庭学習での効果的な活用を図り、確かな学力の育成はもとより、プログラミング教育の充実を図っていく。

　授業における端末の活用については、その成果が共有・実践されるための研修会を開催するとともに、子どもたちが端末を適切に活用できるよう、情報モラルに関する指導を行っていく。

　また、学びを保障するため、遠隔授業やオンライン学習などの実施に向けた検討を進めていく。

▼興部高校への支援について

　興部高として特色ある生徒への支援策として、４年度から興部高と協力し学校内に町営による教科学習・地域学習塾を開設する。

　この公営塾では、興部高に入学した生徒に対する日常的学習支援をはじめ、進学・就職に対応したサポート、地域と連携した探究授業などを実施していく。

　今後も、町間口確保対策協議会や西紋地区教育文化振興会とも連携を図りながら、公営塾の開設など特色ある教育活動の充実、地域にある魅力ある高校づくりに向けた支援に取り組んでいく。

(市町村 2022-03-16付)