湧別町4年度教育行政執行方針 北大と連携し公開授業 複式学級でICT活用
(市町村 2022-03-16付)

湧別町教委阿部勉
阿部教育長

 【網走発】湧別町教委の阿部勉教育長は、9日開会の第1回町議会定例会で4年度教育行政執行方針を説明した。中学校段階での主体的で対話的な学びを推進するため、湧別中学校と上湧別中学校を実践校として北海道大学から講師を招いた公開授業などの取組を進めていく考えを示した。ICTの活用に向けては、上湧別小学校と富美小学校を研究推進校として複式学級での効果的な活用方法やオンライン授業に関する実践研究を行うとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼地域に信頼される小中一貫教育の推進

 4年度は、本町2校目となる湧別地区義務教育学校の5年4月の開校に向け、中学校棟の大規模改修を実施する。

 合わせてPTAや学校運営協議会などで組織する開設準備委員会、さらに教職員で組織する開校準備委員会においても、開校に向けて必要な協議を行う。

 一方、上湧別地区の小中一貫教育の推進については、小学校区ごとの地域懇談会を終え、それぞれの地区から貴重な意見などをいただいた。意見などしっかり受け止め、町としての方向性を定め、時期を逸することなく地域とのさらなる協議を行い、上湧別地区の施設一体型義務教育学校の実現に向け取り組んでいく。

 学校の働き方改革については、長時間勤務の解消のため業務改善と職員の意識改革を進めるとともに、ICT機器を有効活用した授業の効率化を図りながら教員のゆとりある教育活動を推進し、教員が子どもと向き合う時間の充実を図っていく。

▼学校教育における学力向上への取組

 引き続き湧別町型学力向上事業に取り組むほか、4年度はさらに中学校段階での主体的で対話的な学びを実現するために、湧別中学校と上湧別中学校を実践校として北海道大学からの講師招へいや公開授業から授業改革に取り組み、全ての学校と教員が足並みをそろえて一層の学力向上を図っていく。

▼ICT教育について

 GIGAスクール構想で配備した1人1台タブレットパソコンを教員が効率的に授業に生かすため、町ICT教育推進委員会を中心にして教職員のICT技術向上に努めていく。

 4年度はさらに、上湧別小学校と富美小学校を研究推進校として、複式授業での効果的な活用方法や他校の複式学級とのオンライン授業などについて実践研究を行い、タブレットパソコンの効果的な活用を進めていく。

▼安全・安心な学校づくりの推進

 新型コロナウイルス感染症の対応については、学校での万全な感染予防対策を講じるとともに、家庭での感染予防の徹底を啓発していく。

 学校行事については、コロナ感染状況を見極めながら、可能な限り実施できる方法を検討するとともに、オンライン授業の準備を整えることで、いかなる状況でも学びを止めない体制を整えていく。

▼豊かな心と健やかな体の育成について

 豊かな心を育むため、道徳授業や集団生活のルールを指導するとともに、運動の習慣化や規則正しい生活、スマートフォンやゲーム依存の防止なども指導することで、心と体が調和した優れた人格形成を図っていく。

 いじめや不登校については、早期発見と素早い対応に努め、家庭や関係機関と連携して早期解決を図っていく。

▼特別支援教育

 支援を必要とする子どもたち個々に応じた支援を行うため、湧別小学校を拠点に派遣指導を行う通級指導教室の充実や、各学校に設置する特別支援学級および特別支援教育支援員を引き続き配置するとともに、関係機関との連携を図り適切な支援を提供していく。

▼中高一貫教育

 町内中学校・義務教育学校後期課程と湧別高校で行う中高一貫教育については、6年間を通じたキャリア教育を目的に平成17年から開始され16年が経過した。

 この間2度、学習指導要領が改正され、児童生徒は小学校段階から自分の将来像と職業観を学習し、学びの成果はキャリアパスポートに記録し高校に引き継ぐことが制度化されるなど、中高一貫教育の取組との一部重複が生じている。

 このため4年度は、町が進める小中一貫教育いわゆる9年間を見据えた義務教育学校の導入によって、中高一貫教育との整合性が問われることから、適正化のため検討を進めていく。

▼湧別高等学校への支援

 同校の魅力化と入学者数の増加を図るため、湧別高存続対策事業を継続して実施し、各種助成によって存続を支援していく。

▼国際理解教育の推進

 小学校6年生までに英語検定資格の取得を目指す英検チャレンジ事業を継続して実施する。

(市町村 2022-03-16付)

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