札幌市中学校長会 各部の3年度 研究成果 第2回 管理部 学校力高める学校経営の深化 参画意識向上へ共有・議論する場
(札幌市 2022-03-30付)

第2課題「新たな未来を紡ぎ、よりよい社会を創る力を育む学校経営一新たな未来を紡ぎ、よりよい社会を創る力を育む“学校力”を高める学校経営の深化」

【研究の視点】

①「学校力」を高める管理職の経営力

②「学校力」を高める教師の指導力

③「学校力」を高める教育資源の活用力

【研究内容(一部抜粋】)

▼管理職の経営力

 視点①では小中一貫した教育の推進に向けた教職員の参画意識を高めるために必要な環境づくりについて考えてみたい。

 「管理職の経営力」について、1年次の研究では、新学習指導要領の全面実施に向け、カリキュラム・マネジメント、学校運営組織の在り方、学校評価、教科等横断的な学びの創造について、各学校の取組状況の検証を行った。

 新学習指導要領の全面実施に向けては、教職員全体で共有する場と議論する場の設定が重要であり、一部の担当者だけでなく、学校全体で取り組む環境づくりが必要となることが指摘された。

 2年次の研究では、小中一貫した教育の実現に向け、市の教育施策や地域の実態等を踏まえ、校長として、パートナー校との方向性を定め、取組をどのように進めたら良いのかについて、推進体制の構築、教職員の協働体制の確立の2つの観点から考察を行った。

 推進体制の構築においては小中連携・接続の現状と課題について共有すること、そして基本方針に示された「課題探究的な学習」「発達段階に応じた子ども理解」の2つの柱について何ができるかを考え、今後の推進内容や方法、体制などについて協議していく必要があるとされた。

 これらの課題の解決に向け、教職員の協働体制の確立という観点から、研究校の先進的な取組を紹介したが、小中一貫した教育を推進するためには「教職員の参画意識を高めること」が重要であるということが明らかとなった。

 まとめの年次となる本年度は、2年間の成果と課題を踏まえ、小中一貫した教育の推進に向け、教職員の参画意識を高める上で必要な環境づくりのため、教職員全体で共有する場や議論する場をどのように設定し運用していくかについて焦点を当てていく。

 そのため、主体的・対話的で深い学びを切り口にし、共通の話題として話し合ったり、教師自らが主体的・対話的で深い学びを実践しながら議論を深めていけるような場面を設定するなど、協議の場において参画意識を高めることができるような環境づくり(手立て)について提案し、考察を進めたい。

▽子どもの姿を通した議論を可能とする話題の設定

▽教師自らが主体的・対話的で深い学びを実践(体得)する場の設定

▼教師の指導力

 知・徳・体の調和が取れた育ちの一層の充実を図るには「9年間を通した子どもの学びのつながり」が重要であると市小中一貫した教育基本方針で述べられている。さらに、授業における学びを連続させることが極めて重要であるとも述べている。これを踏まえこれまでの研究では、子どものどのような育ちを目指すのかを明らかにすることや小中で互いの教育活動等への理解を十分に図り、その系統性・連続性をどのように確立するのかを検討することが必要であるとしてきた。

 そこでまとめの年次となる本年度は、3年2月に全日本中学校長会が発行した『調査研究報告書』と同様の調査を管理部内で行い、主体的・対話的で深い学びの実現を目指した授業改善の現状と課題について考察し、今後の取り組むべき方向性を明らかにする。

▽主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善

▽主体的・対話的で深い学びを実現する上での課題

▼教育資源の活用力

 社会に開かれた教育課程の実現のため、学校のみならず保護者や地域の人と連携・協働するための方向性や課題について考えてみたい。 

 1年次研究では、子どもが置かれている環境の問題に対応するための福祉の専門家や特別支援教育等の専門スタッフ、関係機関との連携・分担等の必要性を明らかにした。さらに必要かつ高い効果を上げる地域社会との連携・協働の在り方について探る必要性があるとした。

 2年次研究では、子どもの心の問題の解決に向けて、スクールカウンセラーや相談支援パートナー、学びのサポーターなど複雑化・多様化した問題を解決するための体制整備が進んだことが明らかとなった。

 また今後、小中一貫した教育を推進する上での基本単位となるパートナー校間で、新しい時代に必要とされる資質・能力を明らかにするとともに、これまでのノウハウを生かし、その資質・能力を育む教育課程を実現するための体制整備を進める必要があるとした。

 そこでまとめの年次となる本年度は、これまでの成果と課題を踏まえ、パートナー校間との実践事例を紹介するとともに、外部人材の活用に関する方向性や課題について明らかにする。

▽パートナー校との連携の実践例

▽多様な専門性を持った外部人材の活用について

▼まとめと展望

 今次研究では学校の総合的な教育力である学校力について、管理職の経営力、教師の指導力、学校資源の活用の3つの視点から、アンケート調査の結果やこれまでの研究成果を踏まえて研究を進めてきた。

 次年度は新たな研究主題となるが、管理部では3年間の成果と課題を踏まえながら、引き続き学校の総合的な教育力を学校力とし、学校経営という視点から研究を進めていく。

(札幌市 2022-03-30付)

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