文芸、詩など力作収録　札幌市中文連　にれ６７号　白石中の岡堀さん作品など

（札幌市 2022-04-11付）

　札幌市中学校文化連盟は、文芸誌『にれ』６７号を発行した。最高賞のにれ賞を受賞した白石中学校の岡堀愛花さん（３年）、奨励賞を受賞した新川西中学校の臼杵優さん（３年）などの作品を収録している。

　市内中学生の文芸作品を集めた『にれ』は２年、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、昭和３０年発行以降、初めての発行中止に。２年ぶりとなった本年度は、１８９４点の応募の中から選ばれた約５００点の作品を収録している。

　作品は創作、詩などの１０部門ごとに選考。各部門の中から最高賞のにれ賞、奨励賞を選出している。

　にれ賞に選ばれた岡堀さんの作品は創作部門。息子、娘、父から母への手紙、そして母から家族へ向けての手紙を「家族へ」と題して執筆したもの。選考委員は「手紙を読み進めていく中で、食事をキーワードに家族愛が書かれていき、作品に引き込まれていく魅力がある。作品構成、そしてクオリティーに圧巻される作品」と評価した。

　奨励賞に選ばれた臼杵さんの作品は詩部門の「初夏」。日常の中にひっそりと存在する様々なものの姿を丁寧に切り取り、生き生きと描いている。選考委員は「言葉選びが巧みで、それぞれの連から湿度、匂い、音などが伝わってくる。いかにも“初夏”らしい言葉をほとんど使わずに、こんなにも“初夏”を感じさせることのできるのだと感心した」と評価した。

　選考委員は「たくさんの力作が詰まった『にれ』が読者にとって記憶に残る作品との出会いの場になるとうれしい」としている。

(札幌市 2022-04-11付)