奥尻町４年度教育行政執行方針　奥尻高含めＣＳを推進　遺跡出土品の報告書作成

（市町村 2022-04-12付）

新谷教育長

　【函館発】奥尻町教委の新谷順二教育長は町議会第１回定例会で４年度教育行政執行方針を説明した。本年度から奥尻高校も加わるコミュニティ・スクールでは、学校や地域の魅力を生かして取り組んでいくとした。社会教育では、青苗遺跡出土品で発見された勾玉等の報告書作成に向けて準備を進めていくとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼「確かな学力の育成等」について

　各種学力検査を活用した成果や課題等の分析結果を踏まえ、各校の学校改善プランをもとに、組織的な学習指導の改善に努め、保護者と連携して基礎・基本の確実な習得を図る家庭学習の充実を目指すとともに、２月に策定した町学校教育情報化推進計画に基づき、ＩＣＴを活用した教育を推進し、１人１台端末の有効活用を図りながら「分かる授業づくり」に努めていく。

　教育上特別な支援を必要とする子どもの対応については、幼稚園から高校まで町立という利点を生かし、情報を共有し、関係機関と連携・協力を図りながら、個別の指導計画や支援計画に基づいた、切れ目のない一貫した指導や支援の充実に努めるとともに、必要に応じ特別支援学級の設置や特別支援教育支援員の配置に取り組んでいく。

▼「豊かな心を育てる教育の推進」について

　いじめや不登校対策については、未然防止と早期発見・早期対応が重要。いつでも相談できる体制づくりを行うとともに、情報化社会にあって、子どもたちがネットトラブルの被害者や加害者にならないよう、情報モラル教育の充実に取り組み、学校・家庭・関係機関と組織的な連携を図っていく。

▼「信頼される学校づくり」について

　学校と地域が連携・協働して子どもたちの成長を支える学校づくりを推進するため「学校運営協議会（コミュニティ・スクール）」を、これまで小・中学校に導入しており、４年度からは奥尻高も加わり活動する。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、３年度は十分な活動ができなかった。

　本年度は様々な手段を活用し、保護者や地域住民からの幅広い意見や要望を取り入れ、それぞれの学校や地域の創意工夫を生かした特色ある学校づくりを共に進めることができるよう支援していく。

　町の教職員の業務改善については、業務量の適切な管理や在校等時間の縮減に努めるなど、今後も道教委と連携しながら取り組んでいくとともに、小中高全ての学校に導入している「校務支援システム」や本年度更新する全教職員用「校務用パソコン」を活用し、引き続き教職員の校務の効率化を進め負担軽減を図っていく。

▼「魅力ある高校づくりの推進」について

　「まなびじま“奥尻”プロジェクト」は、奥尻高の魅力を高めるだけでなく、町づくりにも大きく貢献している。今後も行政と高校が一丸となって取り組むとともに、引き続き道内外での学校説明会や体験入学などの生徒募集活動をきめ細かく行っていく。

【社会教育】

　「歴史・文化」においては、青苗遺跡出土品のうち、注目度の高い墳墓からの遺物である、鉄刀、勾玉ほか玉類について、出土してから今日に至るまで、報告書が作成されていないことから、その歴史的価値をさらに高めるため、各専門家に遺物の分析および原稿執筆を依頼し、報告書として刊行していく。

(市町村 2022-04-12付)