美唄市4年度教育行政執行方針 ICT活用し授業改善 CS活動通じ課題など共有
(市町村 2022-04-12付)

美唄市天野政俊
天野教育長

 【岩見沢発】美唄市教委の天野政俊教育長は、4年度教育行政執行方針で、ICTを活用した授業改善、新たな教材や学習活動も積極的に取り入れ、教育の充実を図る意向を示した。またコミュニティ・スクールの活動を通じて、保護者や地域住民が学校の経営方針、学校や地域の課題などを共有し、信頼される学校づくりを進めていく。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼確かな学力の育成

 子どもの資質・能力の育成のため個別最適な学びの成果を協働的な学びに生かしながら、一体的に充実していくことが大切であり、各教科等の特質、地域や学校、子どもの実情を踏まえながら、ICTを活用した授業改善、新たな教材や学習活動も積極的に取り入れ、教育の充実に努める。

 全国学力・学習状況調査や標準学力検査等の結果の分析を行い、実効性のある検証改善サイクルを確立するため、校内研修等で講師を招き専門的助言を授業へ反映するほか、管理職を含む教職員で構成する学力向上プロジェクトチームが作成する確かな学力育成プランを活用した授業改善の取組など、校長のリーダーシップのもと、全教職員が一つのチームとなって取り組んでいく。

 外国語教育については、児童生徒がバランスの取れた英語力を身に付け、日常的なコミュニケーションを図ることができるよう、各中学校にALTを1人ずつ配置し、小学校では、外国語専任教員のほか、新たに配置するALT1人による小学校2校の巡回指導を行い、英語力向上に向けた授業改善の取組を進めていく。

 美唄らしい特色ある教育の推進については、子どもたちが農地に足を運び、体験的に農業や生物の多様性、食の大切さなどを学ぶグリーン・ルネサンス推進事業を継続するほか、市の農業と人々の暮らしや作物と人々の関わりなどを学び、生きる力やふるさとを愛する心を育むため、小学校農業体験学習副読本の改訂に取り組み、地域の特性を生かした食農教育を推進していく。

 市内道立高校との連携については、高校の施設を活用した中学校との授業交流や小・中・高が連携した学習会、市内中学生の1日体験入学などの交流のほか、高校が行うPR活動やキャリア教育活動などに対する支援を拡充していく。

 全ての小・中学校において、地域おこし協力隊や学校支援地域本部などを活用し、長期休業中や放課後における学習支援を充実していく。

 子どもたちの学習意欲の向上や自主学習習慣の定着に向け、引き続き、家庭学習の手引きを活用するほか、各中学校区のテスト期間中に、幼保・小・中・高が一緒に取り組む家庭学習強化週間など、望ましい生活習慣と家庭学習の習慣化に努めていく。

▼新たな義務教育制度

 小中一貫校や義務教育学校の導入に向けた調査・研究を進めるなど、引き続き、小・中学校と一体となった生涯学習センター構想の検討を進めていく。

▼豊かな心の育成

 子どもたちそれぞれの発達段階に応じて、社会奉仕体験活動や自然体験活動などを通じ、ルールやマナーを身に付けるとともに、互いを尊重し合うやさしさと思いやりの心を育んでいく。

 豊かな人間性を育むため読書習慣を身に付ける環境づくりに取り組み、読書活動の充実や言語環境の整備に向けて、各学校の図書館の運営や図書の管理を効率的に行い、子どもたちが読書に親しみ、関心が高まるよう努めていく。

 道徳教育については、特別の教科として位置づけられた道徳科を基軸とした豊かな心の育成、人権を尊重した教育による他者を思いやる心の育成のほか、地域の様々な人々との交流や体験活動などを通して、自己肯定感や自尊感情の育成に努めていく。

 不登校児童生徒の対策については、長期化するコロナ禍の影響によって、不安、ストレスを抱える子どもや不登校児童生徒への支援も含め、学校とスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが連携を密にしながら教育相談につなげ、未然防止と早期発見・早期対応に努めるとともに、必要に応じて適応指導室での指導につなげていく。

 いじめの対策については、各学校が実施する定期的な調査や小・中・高校の学校代表者が集う仲間づくり子ども会議の実施を通じて、いじめを生まない環境づくりに努め、個々の実態に応じた対応を行っていく。

▼健やかな体の育成

 朝食の摂取や睡眠時間など、正しい生活習慣を身に付けることが必要であり、家庭と連携して啓発と指導に努めていく。

▼特別支援教育の充実

 子どもの実態に応じた特別な教育課程を編成し、スタートシートや個別の教育支援計画・個別の指導計画はもとより、特別支援教育支援員を配置するなど、児童生徒の学校生活を支援していく。

▼信頼される学校づくり

 コミュニティ・スクールの活動を通じて、保護者や地域住民が学校の経営方針や学校や地域の課題などを共有し、校長のリーダーシップのもと、家庭や地域社会と共に子どもたちを育てていくという視点に立った学校運営を心がけ、信頼される学校づくりを進めていく。

▼教職員研修の充実

 学校ごとの課題に対応した校内研修に重点を置き、研究指定校事業を継続して実施するとともに、外部講師招へい授業研修などの実施や各種研修会への積極的な参加を通じて、専門的知識や技能の習得を図り、教職員の資質の向上に努めていく。

(市町村 2022-04-12付)

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