江差高　新たにＯＫＡＥＲｅ南檜山　教育課程に地域学　地元の課題解決へ探究活動

（学校 2022-04-14付）

　【函館発】江差高校（武藤禎弘校長）は本年度、地域学を取り入れた教育課程を新たに編成した。「ＯＫＡＥＲｅ南檜山」と題し、総合的な探究の時間を一部活用して取り組むもの。１年生では外部講師を招き、地域の医療、歴史、法テラスなど様々な分野の出前講座を実施する予定。１年生の後期以降には探究活動をより深めるため、ゼミ方式で取り組む。吉田享平教頭は「生徒が地域の魅力的な大人と関わることで、自己の生き方をあらためて考え、高揚感を持って取り組めるような活動ができれば」と地域連携による学習効果に期待を寄せている。

　教育課程に地域学を取り入れている高校は、道南では松前高校の「松前学」に続き２校目。

　地域社会における「つながり」の希薄化や情報社会、新規学卒就職者の離職状況など、子どもを取り巻く社会環境が大きく変化していることを踏まえ、同校は地域学を取り入れた探究活動を企画。故郷の様々な分野で活躍する地域の大人たちと関わりを持つことで、生徒が自己の在り方・生き方を考えるとともに、今後の地域創生の基盤や主体的な態度の育成を目的としている。

　多くの生徒が通学する江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町の頭文字と、フランス語で地域学を意味するＲｅｇｉｏｎｏｌｏｇｙをかけ合わせ「ＯＫＡＥＲｅ南檜山」と名称を設定。総合的な探究の時間における授業時数を一部活用して取り組み、第１次産業や歴史、文化などを軸に、外部講師を招いた多岐にわたる講座開設を予定している。１年生の後期以降には、ゼミ方式で地域の関係者と共に地域の課題を解決する方策を探り、レポート作成などの成果発表を実施する予定。

　吉田教頭は「地域には魅力的な大人たちがたくさんいる。生徒が様々な人と関わり、自分の生き方や社会問題について意欲的に考える機会としたい。同時に地域とのつながりの重要性を実感し、地域創生の基盤にもつながれば」と話している。

(学校 2022-04-14付)