道財務局等 金融教育シンポジウム 金融の基礎を高校生に 元衆議・杉村太蔵氏が講演(学校 2022-04-07付)
杉村太蔵氏が講演した
道財務局、道などは3月25日、「高校生と先生のための北海道における金融教育シンポジウム~金融知識を身に付け、輝く未来を切り開こう」を開催した。4月1日からの成年年齢引き下げに向け、高校生に基礎的な金融知識を講演や体験ゲームで学んでもらおうというもの。元衆議院議員の杉村太蔵氏が基調講演し、金融の基礎知識を伝えるとともに「売り手、買い手だけでなく地域社会も良くなるという“三方よし”の考え方が大切」「礼節は最高の生存戦略」など、事業を行う上で大切なポイントをアドバイスした。
同シンポジウムは、4月から成年年齢が引き下げられ、18歳成人となることから、高校生を自立した消費者として育成し、また犯罪の防止に向けた教育が必要なこと、新学習指導要領に資産形成が盛り込まれたことなどから開催したもの。
主催は道財務局、道金融広報委員会、道、札幌証券取引所、日本証券業協会北海道地区協会。道教委、札幌市教委、道高校長協会が後援。
札幌会場(札幌商工会議所)、函館会場(財務省函館財務事務所)、帯広会場(財務省帯広財務事務所)とオンラインで高校生約170人と高校教員の計約300人が参加した。
第1部は高校生向け基調講演で、元衆議院議員の杉村氏によるライブ配信「お金について考えてみよう!タイゾーの金融経済超入門~生きる力、自立する力を高めるために」を行った。
杉村氏は、融資と投資の違いについて「融資は借金で全額を返さないといけない。投資は事業が成功したら還元するが、返す必要はない」など、金融の基礎知識を高校生にも分かりやすく説明。
また、企業などのリーダーとして「売り手、買い手だけでなく、地域社会全体が良くなるという“三方よし”の視点を持ってほしい」と望んだ。
また、事業を行う上では「仲間をつくることが大切」と述べ、そのために「リーダーはいつも機嫌がいいことが大切。素敵なリーダーは常にいつどんなときでも“この人と一緒に仕事がしたい”と思わせる雰囲気を持っている」「礼節は最高の生存戦略。礼節を欠いた人に事業は厳しい。良いリーダーは立場が上の人にだけではなく、立場の弱い人にも礼節を欠かさない」など、自らの経験から高校生たちにそのポイントを紹介した。
第2部は高校生向けの「資産形成体験ゲーム」を実施した。はじめに事務局が説明。「資産形成とは、将来に向けお金を準備することで、貯蓄と投資がある」「金融商品は安全性、収益性、流動性が大切。預金は安全だが収益性が低い。債権は発行した会社次第。株式は安全性は低いが収益性が高い」など金融の基礎的事項を説明した。
続いて、高校生が架空の企業への模擬投資を行うシミュレーションゲームを実施。「さっぽろ自動車」「はこだて製菓」「おびひろリゾート」「どさんこ株式インデックス」といった架空の企業や投資信託について、グループごとに初期費用1万円でどこに投資するかを議論。為替相場や「インバウンド観光客が減少」「おびひろリゾートでゴンドラが故障」「はこだて製菓は新商品が好調」といった情報をもとに投資し、株価が変動し、また株を巡る情勢が刻々と変わる中、いかにうまく投資し資産を築くかを体験。経済の仕組みや、社会の動きと株価が連動していることなどを体験的に学んだ。
第3部は教員向けのパネルディスカッション「金融経済教育・消費者教育の現状と課題」を行った。
(学校 2022-04-07付)
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