札幌市教委　３年度悩み等アンケート　「いじめられた」が微増　「現在も」３７・８％　５４１７人

（札幌市 2022-04-21付）

　札幌市教委は、３年度の悩みやいじめに関するアンケート調査の分析結果を公表した。調査に回答した児童生徒数は１３万６４３０人。今の学年になってからいじめられた経験がある児童生徒の割合は１０・５％で、２年度から０・６ポイント増となった。校種別の割合をみると、小学校低学年が２３・４％で最も多く、学年が上がるにつれ減少する結果となった。

　調査は、児童生徒の実態や各校の対応状況を把握し、いじめの早期発見・対処の取組に資することを目的に平成１８年度から行っているもので、３年度は昨年１１月に全市立学校で実施した。

　調査用紙は学校用、児童生徒用の２種類。児童生徒用は、いじめの早期発見・早期対処の観点から記名式とし、プライバシー保護のため、各家庭で記入させ、封筒に入れて学校に提出させた。

　児童生徒の調査用紙の設問は８問。提出したのは小学校・中学校・高校・特別支援学校を合わせて１３万６４３０人で、回収率は９７・３％だった。

　設問のうち、今の学年になってからのいじめの有無では、２年度から０・６ポイント増の１０・５％が「ある」と回答した。

　「ある」の回答内訳をみると、小学校低学年が２３・４％で最多。学年が上がるごとに減少していき、高校３年生の０・３％が最低となった。

　いじめの内容（複数回答可）では、いずれの校種も悪口が最も多く、小学校は４９・４％、中学校は５９・２％、高校は５５・９％だった。

　一方で「ある」と回答した者のうち、現在もいじめられていると回答したのは３７・８％。小学校が５１３５人、中学校が２７２人、高校が１０人となっている。

　いじめられたら誰に相談するかの設問では、小学校は家族が８０・５％、学校教員が６０・４％などとなった。

　一方で、中学校は３９・５％、高校は３１・０％と学校教員の割合が大きく低下し、友達への相談割合が増加。中学校は６０・８％、高校は６５・８％という結果だった。

　また「誰にも相談しない」と回答したのは、小学校が５・９％、中学校が１１・６％、高校が７・６％となっている。

　市教委では、ネットモラル教育の充実や相談機関に関する情報提供、子ども同士が相互に支え合う関係を構築できる教育活動の充実などが必要と分析している。

(札幌市 2022-04-21付)