札幌市立高・特校長会 3年度事業報告 研究概要から 第5回
(札幌市 2022-04-21付)

◆教育相談・特支推進委員会②

▼スキルアップ研修動画を視聴しての感想(市立高校と特別支援学校の推進委員から)

▽トラウマ体験は言語化が難しいということであったが言語化できたとしても話す人はかなり限られるだろうし、子ども同士であればそこからいじめにつながるなどと2次的な被害も考えられると思う。トラウマを解消するというのはかなり難易度の高いことだと感じた。教師として、学校を安全な場所とするために体制づくりや環境づくりをしていかなければならない。また教師(大人)の対応方法について理解啓発に努めなくてはならないと感じた。

▽保護者からのDVについては、実際に何度も見聞きしているが、関係機関と連携を取りながらも学校としての関わりに限界があり、問題解決の困難さを再確認するばかり。大変参考になった。

▽膨大な資料をもとに、子どものトラウマについて深く学ばせていただいた。特に「解離」の部分では「受けた体験を全く覚えていないのに影響があるが、覚えていないから対応できない。解離があったほうが、傷が長引くし大きい」とのことだった。この場合は症状の原因であるトラウマにたどり着くことは難しいと思われるが、原因不明と考えすぐに諦めず、より丁寧な観察や聴き取り等を進めていきたいと感じた。「困っている子は、自分も困っている」ということを忘れずに対応していきたい。

▽普段の学校生活で困難を抱えている生徒の中にはトラウマを抱えている子も多いのではないかと考えながら動画の方を拝見させていただいた。言語化できないことや自分のせいにしてしまうことなど今、受け持っている生徒にも当てはまることもあり、多面的に生徒について考える機会になった。特にトラウマを抱える子の中には、赤ちゃん返りを遊びに取り入れることで自分の中で受け入れるということが分かり、保護者とも共有しながら今後の指導を進めていきたいと思った。また、発達障害を持つ子は特にトラウマを持ちやすいということも印象深い。今回の内容は、まさに今知りたい内容でもあったため、大変参考になった。

▽現在、トラウマによってフラッシュバックが起きる、自傷行為、自殺企図などによって、チームで対応している生徒がおり、大変勉強になった。特にボーとしているときにフラッシュバックが起きる、スマホを夜中まで使用する理由などが良く理解でき、今後の対応に生かしていきたいと思う。

▽小学校時代のいじめがトラウマとなり、いまだにフラッシュバックに苦しんでいる生徒がいる。とても優しくみんなから慕われているが、自尊感情が低く自分に自信が持てない生徒である。リストカットの自傷行為もあり、寄り添いながら支援の方法を探っているが、出口が見えず苦しんでいた。佐藤先生の話を聞いて、整理して考えたり理解を深めたりすることができた。また、性被害についての相談を受けることもある。今後も研修を深めて少しでも力になれるように知識とスキルを身に付けていけたらと思う。

▽具体的で分かりやすかった。今回のトラウマの話も勉強になった。特にゲーム中にはフラッシュバックが起きにくいため、長時間ゲームし寝落ちするケースの話、実際に身近にもたくさんあるのではないかと思えた。ゲーム依存気味の生徒について、注意深く見守っていきたいと考えた。暴力や虐待、そこからの自己否定的な育ちなど、推進委員以外の教職員全てが視聴すべき内容ではないかと思った。

▽本当に大変な問題だと思った。当該人物をどれだけ周囲の大人がサポートしていけるのか。我々自身がこうした知識や接し方などのスキルを上げる機会を設ける大切さをあらためて感じた。

▽動画を視聴し「困った子」は「困っている子」という言葉がとても印象的だった。教員は毎日児童生徒の様子を見ている。つまり、児童生徒の少しの変化にも気づくことができる立場でもある。児童生徒の困っている様子をしっかりと見て取り、安心・安全な学習環境を用意するとともに、信頼感を育てていくことが大切なのだと、あらためて感じた。そして「困った子」「困っている子」に対応していくためには、スクールカウンセラーさんやスクールソーシャルワーカーさんらの力を貸していただくことで早期の解決に向けることができることも、あらためて思い返すことができた。

▽トラウマに焦点を当てて説明していただき、興味深い内容だった。

▽トラウマについて学ぶ機会は多くなかったのでとても勉強になった。動画視聴だけでは理解が難しい部分もあった。

【まとめと今後の課題】

 本推進委員会の取組は、市だけでなく、道立学校や校種の異なる方との交流も継続してきている。今回は、動画によるスキルアップ研修を市立高校と特別支援学校だけではなく、中学校や道立高校・特別支援学校にも案内をして、広く視聴を呼びかけることができた。

 講演の内容は、各校が直面している児童生徒の課題や困りに直結する内容であり、子ども理解のポイントやあすから学校生活で活用できるヒントをたくさん教示いただけた。

 今後も感染状況を踏まえつつ、本推進委員会の良さである実践的な交流や、講師を招いてのケースミーティングを取り入れたワーキング研修を継続していくことが大切。また、集合研修ができないため滞っている『推進委員会だより』を発行していく必要もある。

 今後も市立高校・特別支援学校教育相談・特別支援教育推進委員会のメンバーの協力で、創意・工夫を加えながら、生徒の健やかな育ちに資する取組を継続していきたい。

(札幌市 2022-04-21付)

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