学校教育情報化推進基本方針　人材確保など４観点　文科省　計画案の意見募集

（国 2022-04-25付）

　文部科学省は学校教育情報化推進計画案をまとめた。学校教育の情報化の方向性を整理し、児童生徒、教職員、環境、体制・校務に関する基本方針や実現のための個別施策を示した。５月２０日までパブリックコメントを実施し、６月の公表を目指す。

　計画は、学校教育の情報化の推進に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため文部科学大臣が定めるもの。今後５年間で取り組むべき施策の方向性を示し、各自治体で策定する推進計画の参考となる。

　第１部の総論では、学校教育の情報化の方向性を「ICTを活用した児童生徒の資質・能力の育成」「教職員のＩＣＴ活用指導力の向上と人材の確保」「ＩＣＴを活用する環境整備」「ＩＣＴ推進体制の整備と校務の改善」の４観点で整理して基本方針を規定し、目標の進ちょくを効果測定するための指標例を示した。

　第２部の各論では、文科省の各種検討会議やデジタル庁の教育データ利活用ロードマップを踏まえ、基本方針の個別施策を実現する施策を整理した。

　内容は「ＩＣＴの効果的な利活用の推進」「教職員の資質の向上」など１７事項で、ＩＣＴ支援員など専門人材の確保の促進、学校内外のネットワーク環境の改善、６年度の導入を目指すデジタル教科書の在り方の明確化などを挙げている。

　デジタル化に伴う児童生徒一人ひとりのＩＤに関しては、マイナンバーの活用も含めてユニバーサルＩＤや認証基盤の在り方を検討する。転校時等の教育データの持ち運び方の方策を４年度までに検討し、５年度から希望する家庭・学校での活用を目指すとした。

　校務のデジタル化推進に向けて、本年度に専門家の知見をもとに家庭との円滑なコミュニケーションを含めた校務効率化を検討し、必要な施策を実施する。

(国 2022-04-25付)