札幌市立高・特校長会　３年度事業報告　研究紀要から　第１１回

（札幌市 2022-05-02付）

◆養護教諭連絡協①

【はじめに】

　養護教諭連絡協議会は平成２９年度から開催され、本年度で５年目となる。市立高校、中等教育学校および特別支援学校に勤務する養護教諭が一堂に会し、生徒の健康の保持増進に関わる情報交換や職務の交流、連絡調整を行うことを目的としている。

　本年度も、市教委から半澤郁子指導主事に助言をいただきながら、市立札幌みなみの杜高等支援学校の田中進一校長を担当校長として、連絡協議会の運営に当たった。

【本年度の連絡協議会の在り方】

　例年２回会議を計画しているが、新型コロナウイルス感染症の状況に鑑み、２回とも書面で情報交換を行った。

　本会幹事と協議した上で会議ごとにテーマを設定し、各校から回答をいただいた。回答のまとめを作成・配布することで他校の取組について学ぶ機会とした。

【第１回連絡協議会のテーマと各校からの回答（一部抜粋）】

▼健康診断

▽本年度の実施状況と２年前との違い

　本年度は２年前とほぼ同様に１日で全項目を実施。

　耳鼻科のみ、１日１２０人×２日間で実施。

　保健委員の活動内容縮小（検査会場での整列指導係を取りやめ、生徒への事前指導と連絡、会場設営と復元、生徒引率、健康カードの並べ替えのみ）。

　手洗い用洗面器から手指消毒薬に変更（医師１人に１個配置、全検診会場に生徒用として１個以上配置）

　密回避のため生徒を会場周辺で長く待機させることを避け、各教室待機とした（藻岩高）。

▽成長曲線・運動器健診に関する対応

　成長曲線は、元年度、２年度と市教委から精密検査の対象となった生徒の中に、低身長について治療開始となった生徒はいなかった。高校生年齢では、低身長の適切な治療開始時期を過ぎてしまっているのではないか（みなみの杜高等支援）。

▽次年度の課題

　次年度以降の健康診断の計画を立てる際に実施時期、内容、方法など感染症に対応する計画をいつまで立てていくか。従来の方法に戻せるのかこのままの方法で実施するのかタイミングが課題（平岸高）。

▼新型コロナウイルス感染症への対応について

▽感染予防への取組

　ハイリスクの子どもたちが通う学校なので、通常より消毒や感染予防について配慮していたが、本年度は、外部から入る人の制限を加えて行っている。業者や装具合わせで来校する人には、玄関での検温後、問診票の記入の上、入校してもらう。校内では入れるのは、玄関横の相談室までで、それ以上の入校は遠慮いただいている。また、緊急事態宣言時からは、業者との打ち合わせは４校時目に実施し、その後教室に戻らずに相談室からそのまま下校している（北翔養護）。

　検温チェックは、昨年は夏場は外、冬は玄関ホールで行っていたが、夏場は雨天時のテント設置等がとても大変なので、本年度からは夏場も玄関ホールで行っ

ている（豊明高等支援）。

▽感染症対策に使用している物品などの紹介

　手指消毒用アルコールについて、本年度、香料が使用されているものを教員からの指摘によって使用を中止した。品薄時期には無理だったが今後、使用するものについては検討が必要と思われる。

　他校での状況を参考にさせていただきたい（山の手支援）。

▽市教委から支給された次亜塩素酸水の活用方法と残りの保管状況

　本校は、児童生徒の実態から感染症対策が常に必要なため、新型コロナウイルス対策が必要となる前からアルコール消毒剤を学校の予算で購入していた。

　アルコールの在庫があるため、次亜塩素酸水はリハビリを行う部屋のクッションやカーペットに使用している。残量は３分の２程度（豊成支援）。

(札幌市 2022-05-02付)