不登校児童生徒の支援方策 特例校設置促進など 文科省有識者会議が4点示す
(道・道教委 2022-05-25付)

 文部科学省の設置する不登校に関する調査研究協力者会議は23日、不登校児童生徒の支援方策をまとめた報告書案を示した。重点的に実施する施策の柱として「誰一人残さない学校づくり」など4点を掲げ、都道府県等における不登校特例校の設置促進、早期把握に向けた校内教育支援センターの充実などの施策を提案した。会議の意見を踏まえ修正し、近く公表する。

 2年度問題行動等調査や不登校児童生徒・アンケート調査結果を踏まえ、今後重点的に実施すべき施策の方向性として①誰一人残さない学校づくり②不登校傾向のある児童生徒に関する支援ニーズの早期把握③多様な教育機会の確保④社会的自立を目指した中長期的支援―を挙げている。

 各施策の内容をみると、①では教育機会確保法の周知・浸透を図る広報・啓発資料の作成、養護教諭・スクールカウンセラー(SC)によるSOSの出し方に関する教育の実施を挙げている。

 また、校長のリーダーシップのもと専門家の活用による魅力ある学校づくりを進めるため、支援スタッフの活用や教職員の業務改善など学校の働き方改革を促進する必要性を示した。

 ②では、不登校傾向のある児童生徒の早期発見に向け、全児童生徒を対象としたスクリーニング(データに基づき潜在的に支援の必要な児童生徒や家庭を適切な支援につなぐ識別手法)の実施や、不登校の初期段階で教室とは別の場所で個別の学習支援や相談支援を実施する校内教育支援センターの充実などを盛り込んだ。

 ③では、都道府県・政令都市における不登校特例校の設置の推進を提案。必要な教職員定数や支援スタッフの確保、オンラインの活用など指導体制の充実を図る必要性を示した。

 また、遠隔地の児童生徒にICTを活用した学習支援や体験活動、アウトリーチ型支援を一括して行う仮称・不登校児童生徒支援センターの設置促進を挙げている。

 ④では、SC等の配置時間の増加やオンラインを活用した教育相談の充実、自治体・関係機関等の連携によるアウトリーチ型支援の積極的な推進、家庭教育支援チームをはじめとする保護者支援などを提案した。

 会議では出席者から「現場の先生に広く周知する工夫を」「見直しへ準備を進めている生徒指導提要との齟齬(そご)が生じないようにしてほしい」「SC等の配置促進の財源確保へ配置の適切な効果検証が必要」などの意見が挙がった。

(道・道教委 2022-05-25付)

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