小・大学生１４万人、小学校７７９校に　６月からウェブ調査開始　道　ケアラー支援有識者会議

（道・道教委 2022-06-02付）

道庁の関係部局からも多数参加しケアラー支援への理解を深めた

　道は５月３１日、オンラインで４年度第１回ケアラー支援有識者会議を開いた。札幌市を除く道内の市町村立小学校５・６年生、道内の大学生全員、市町村立小学校を対象にウェブアンケートを実施することや、今後の日程を示した。アンケートは６月中旬から開始し、９月上旬に結果を公表する予定。委員からは「短大を調査に加えるべき」との声が相次ぎ、事務局で検討することとした。

　同会議は、道におけるケアラー支援対策について幅広い観点から意見を聴取するため昨年５月に設置したもの。学識経験者や支援機関、医療従事者ら構成員１３人が参加した。

　はじめに事務局から、４月１日に施行となった北海道ケアラー支援条例に基づき、４年度中に具体的取組を盛り込んだ「北海道ケアラー支援推進計画（仮称）」を策定すること、数値目標や進捗管理を盛り込むことなどを報告。計画の構成について意見を交わした。

　続いて、本年度実施するヤングケアラーに関する実態調査について報告。前年度の中高校生への調査に続き、小学生や大学生等に調査を実施する。対象は、道内の市町村立小学校（札幌市を除く）に通う５・６年生約２万５０００人ずつと道内の全大学生約９万人。また、市町村立小学校約７７９校を対象に、ヤングケアラーの認知度や対応、把握しているヤングケアラーの有無などを調査する。

　いずれも個人情報保護などに配慮し、PCやタブレット、スマートフォンなどからウェブ上で回答してもらう。

　学校への調査は中学・高校対象の調査と基本的に変わらないが、小学生への調査は児童の負担を考慮し質問内容を絞る。

　日程は、６月上旬～中旬ころに学校向け調査依頼および調査概要等を送付。アンケート調査期間は６月中旬～７月下旬のうち２週間程度。調査結果の公表は９月上旬を予定。

　会議では、アンケート調査の質問項目を含め意見を聴取。「外国人留学生は大学生に入るのか」「大学生への質問が就職の不安に限られているが、卒業できるか不安、大学院を断念したなど、就職以外の項目も入れてほしい」「大学生には過去に苦労したことや、必要だった支援も聞くと良いのでは」「奨学金が４年間で４~５００万円になる学生もいる。奨学金の額も入れてほしい」などの声が上がった。

　「どのように実施するのか」との質問には、事務局が「小学生へは道教委を通し学校に協力してもらい、児童に声をかけてもらうなどして回答を促す。一斉実施はせずあくまで一人ひとりが個人的に端末から回答する」と答えた。大学生については「大学からメールを送ってもらい周知する」とした。

　また「本当に困っている子は大学には行けず、短大に何とか通っている。短大を調査に入れてほしい」「日ごろから短大生の苦労を目の当たりにしている。短大生を入れた方がいい」など、短大生を調査に加える声が相次ぎ、事務局は「短大の調査を検討する」と答えた。

　このほか、包括支援センターの構成員から「夜中や早朝など勤務時間外の相談対応は市町村では難しい。２４時間対応の相談体制を道に検討してほしい」との声が上がった。

(道・道教委 2022-06-02付)