道教委 いじめへ新たな対応 緊急支援チーム派遣 市町村に改善求める仕組みも(道・道教委 2022-06-09付)
道教委は、深刻化するいじめ事案に対応するため、弁護士、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)、道教委指導主事による緊急支援チームの学校への派遣を開始する。市町村教委と情報を共有した上で派遣の必要性を判断し、各分野の専門家が助言する体制を構築する。市町村教委といじめ事案への認識を共有できない場合には対応の改善を文書で求める仕組みを新たに整備する。7日の道議会文教委員会で答弁した。
大越農子委員(自民党・道民会議)の質問に答えた。
道教委はこれまでも、学校だけで解決が困難ないじめ事案に対応するため、市町村教委等からの求めに応じて弁護士や臨床心理士などの専門家を学校に派遣してきた。しかし、3年2月に旭川市で女子生徒が死亡したいじめ事案では道教委と市教委の間でいじめの認識に関する考えが共有できず、市教委からも専門家の派遣要請がなかったことが背景にあった。
文教委員会で伊藤伸一生徒指導・学校安全担当局長は、深刻化したいじめ事案にはアウトリーチ型の積極的な支援による早期対応が重要とし「今後必要に応じて道教委が編成する弁護士、SC、SSW、道教委指導主事による緊急支援チームを学校に派遣する」と答弁。事案が発生した場合には市町村教委と十分に情報を共有し、道教委が派遣の必要性を判断して対応するとした。
また、深刻化した事案に適切・迅速に対応できるよう、市町村教委に警察や児童相談所等の専門機関との連携など事案に応じたケース会議の実施を働きかけていく考えを示した。
唐川智幸学校教育監は「学校での早期発見と的確な初動対応によって被害を受けた児童生徒を徹底して守り抜くとともに、いじめ加害行為に対しては毅然と対応することが必要」とし、道教委に直接相談できる窓口についてあらためて周知する考えを示した。
さらに、市町村教委と事案への対応に関する認識を共有できない場合への対応として「学校での対応状況を市町村教委から直接説明を求めるとともに、なお対応に改善が図られない場合はいじめ対応の改善を文書によって求める仕組みを整備し、問題解決へ指導力を発揮していく」と答弁した。
道教委は今後、速やかに関連する要項を改正した上で、チームの派遣体制を整備する予定。
(道・道教委 2022-06-09付)
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