新たに学校図書館担当職員講習 独自に学校司書を養成 道教委 来週から受付開始
(道・道教委 2022-06-10付)

 道教委は、新たに「学校図書館担当職員講習」を開催する。来週から周知・受講受付を開始し、7月26日から講習を開始する予定。本道の深刻な学校司書配置率の低さを解消するための独自事業で、講習修了者には道教委独自の学校司書講習修了認定を行い、学校司書として活躍してもらう考え。道教委は「学校司書の配置により子どもたちの読書意欲を一層高めるとともに、図書館を活用した探求的な学習なども実施しやすくなるはず」と話し、積極的な受講を呼びかけている。

 学校司書を配置している公立学校の割合は、文部科学省の2年度の調査によると全国平均が小学校69・1%、中学校65・9%、高校66・4%なのに対し、北海道(札幌市を除く)は小学校31・0%、中学校20・1%、高校3・2%と著しく低い状況にある。

 このため、事務職員、実習助手、図書館ボランティア、PTAなど様々な人材に専門的な知識や技能を身に付けてもらい、学校司書として活躍してもらおうと企画したもの。

 現職の学校図書館担当者でもノウハウ不足で十分活躍できていない場合などを考慮し、知識・能力向上につなげられるものとした。

 講習の内容や方法については、文科省の「学校司書のモデルカリキュラム」策定に携わった全国学校図書館協議会理事(放送大学客員教授)の堀川照代氏ら5人を構成員とする講習運営者会議を設置し、7日の第1回会議で決定した。

 講習の対象は、道内在住の学校司書、学校図書館を担当する職員(事務職員、実習助手等)・支援員等、図書館ボランティア、PTAなど。

 ズームによる同時双方向型のオンライン実施とし、講義終了約2週間後から順次オンデマンド配信も行う。定員は設けないが、学校司書を配置していない高校数などから100人程度を想定している。

 道内在住者は受講無料だが、講師が指定する教材費などの経費は個人負担となる。講師は全国学校図書館協議会学校図書館スーパーバイザーなど。

 講習の内容は、学校図書館の教育的意義や図書館資料の管理など基礎的事項から、現代の学校教育や児童生徒の心身の発達まで幅広いが、すぐに使える知識・技術を厳選。「学校図書館基礎講習」「図書館資料・情報の管理と活用」「学校図書館担当職員が知っておきたい学校教育」「学校図書館サービス力向上」「学習指導・読書指導技能向上」の5つの講習を全28コマに分けて実施する。

 7月26日に第1回講習を開き、8月1日に2回目。その後は月2回のペースで10月下旬まで実施する。来週から全道に通知を発出し、事業を周知するとともに参加受付を開始する。

 道教委では「学校司書の配置が充実することにより、児童生徒の読書意欲を一層喚起するとともに、図書館を活用した主体的対話的で深い学習や、探究的な学習が可能になる」などのメリットを挙げ「図書館長である校長がリーダーシップを発揮し、職員が役割を分担し、チームとして図書館活動を進めてほしい」と話している。

(道・道教委 2022-06-10付)

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