道議会質疑 文教委員会(2月24日)
(道議会 2022-06-13付)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】

【質問者】

▼佐々木大介委員(自民党・道民会議)

▼大越農子委員(自民党・道民会議)

【答弁者】

▼池野敦教育部長

▼鈴木淳学校教育監

▼相内修司生涯学習推進局長

▼櫻井良之学校教育局高校配置担当局長

▼伊賀治康教職員局長

▼高見里佳文化財・博物館課長

▼岡内誠高校教育課配置・制度担当課長

▼塙浩伸高校教育課企画・支援担当課長

▼泉野将司健康・体育課長

▼奥寺正史教職員課長

=役職等は当時=

◆高校教育改革

Q佐々木委員 これからの高校づくりに関する指針に基づく施策等について検証を行った目的について伺う。

A塙高校教育課企画・支援担当課長 検証の目的について。道教委では、平成30年に現行のこれからの高校づくりに関する指針を策定し、地域とつながる魅力ある高校づくりに取り組んできたが、指針策定から4年が経過し、この間、少子化の進行やSociety5・0時代の到来、地域創生における高校に対する期待の高まり、国の高校教育改革の進展など、高校を取り巻く状況が大きく変化している状況にある。

 こうしたことから、社会情勢や、高校を取り巻く教育環境の変化、地域の抱えている今日的な教育課題等に的確に対応し、未来を担う人材を育む教育機能の維持向上を図る観点から指針の見直しを行うこととし、その見直しに資するため、現行の指針に基づく取組の成果と課題について検証を行い、その結果を本報告書として取りまとめた。

Q佐々木委員 これまで、指針の検証について、どのように取り組んできたのか、また、その経過について伺う。

A塙高校教育課企画・支援担当課長 検証の経過について。道教委では、指針の検証に向け、3年11月、庁内に高校教育検討委員会を設置後、12月に生徒やその保護者が高校を選択する基準、学びたい学習分野や高校教育への要望のほか、総合学科など多様なタイプの高校における教育活動の成果や課題を把握するため、中学生や高校生、その保護者、学校長などを対象としたアンケート調査を実施するとともに、地域連携特例校の在り方や充実策について、関係市町村を対象に意見照会を実施した。

 その後、検討委員会において、アンケート調査の結果集約およびその分析などを進めたあと、様々な角度から検討を進めるために同時期に設置した外部の有識者による道教育推進会議高校専門部会において見直しの方向性などについて意見を伺いながら、成果や課題について検証を行ってきた。

Q佐々木委員 道教委では指針に基づき、毎年度、公立高校配置計画を策定し、募集定員の調整や学科転換、高校の再編などを行っている。平成30年3月に現行の指針が策定されて以来、4年が経過しているが、この間の配置計画によって、どのような成果があり、また、何が課題となっていると捉えているのか伺う。

A岡内高校教育課配置・制度担当課長 配置計画に基づく取組の成果と課題について。道教委では、現行の指針のもと、単位制やアンビシャススクールの導入など、生徒の多様な学習ニーズを踏まえた高校配置を実施するとともに、地域連携特例校や農業、水産等に関する学科を置く高校について、地域の取組を勘案し再編整備を留保するなど小規模校の存続を図っている。

 こうした中においても、市町村からは、小規模校の存続を求める意見も断続的に多く寄せられており、道教委としては少子化が進む中、生徒の幅広い学習ニーズ等に対応するための学校規模の適正化と、生徒の修学機会の確保や地域創生の観点に立った、地域における高校機能の維持との両立が課題と捉えている。

Q佐々木委員 小規模校の維持、継続等に踏まえ、今回の報告書においては、通学可能圏内で地元がより適切と考える高校配置の実現について検討する必要があるとされているが、実現に向けてどのように取り組むのか伺う。

A岡内高校教育課配置・制度担当課長 一定の圏域における高校配置について。高校配置については、保護者を含めた地域関係者の理解を深めながら進めていくことが重要であり、これまでも地域別検討協議会や、関連する説明会等において意見を伺ってきたが、個別の学校の在り方や特定の市町村の高校配置に関する意見が大半を占める状況。

 このため、道教委としては、今後、中卒者数に見合った定員を確保することを基本としつつ、市町村を越えた一定の圏域を単位とする高校配置を検討し、より地域の実態やニーズに即した適切な配置につなげていくことが必要と考えている。これまでの地域別検討協議会などの場に加え、市町村それぞれの地域づくりの視点なども加味しながら、圏域内の高校の役割分担や市町村間の配置バランスなどを含めて、高校配置の広域的な在り方や高校の魅力化について具体的に検討する仕組みを新たに設け、地元と共に丁寧な協議を行い、教育環境のさらなる充実を図っていく。

Q佐々木委員 従来の地域キャンパス校については、平成30年度からは、地域連携特例校となったが、その成果と課題をどのように捉えているのか伺う。

A塙高校教育課企画・支援担当課長 地域連携特例校の成果と課題について。地域連携特例校においては、コミュニティ・スクールの導入などによって学校と地域が連携した高校の魅力化や特色ある高校づくりにつながっているとともに、3年4月に開設した遠隔授業配信センターから生徒の興味・関心や進路希望等に応じた授業をオンラインによって配信するなどして、教育活動の充実が図られている。

 こうした中、第1学年の在籍が20人未満となった特例校については、所在市町村をはじめとした地域における取組とその教育的効果を勘案した上で再編整備を留保しているものの、留保している高校が年々増加するとともに、その留保期間が長期化しており、今後、中卒者数の増加要因が見当たらない中、一定の入学者数の計画的かつ継続的な確保が厳しい状況にあることが課題と受け止めている。

Q佐々木委員 今回、特例校が所在する市や町への意見照会を行っているが、どのような声が寄せられているのか。

A塙高校教育課企画・支援担当課長 特例校に関わる市町の意見等について。道教委では3年12月、今後の特例校の在り方や充実策等について、関係する市町の首長と教育委員会に対して意見照会を行った。市町からは、高校の存続は、町の活性化や経済に及ぼす影響が大きいこと、入学者数や期間のみで判断せず、自治体の取組など様々な要因を勘案する必要があることなど、再編整備の留保期間の延長や要件の緩和などを要望する内容が多かった。

 一方、充実した教育環境には一定の生徒数が必要と考えている市町からは、現行制度は、地域の実情に一定程度配慮されたものであり、地域連携特例校の再編整備はやむを得ない、分校の設置など地域の教育機能を維持するための新たな方策について検討する必要があるなどといった、これからの特例校の在り方につながる意見も寄せられた。

Q佐々木委員 地域からの声を受け、地域連携特例校の成果や課題、関係する市や町の意見などを踏まえ、地域連携特例校の今後の在り方について、道教委はどのような方向で検討していく考えなのか。

A櫻井学校教育局高校配置担当局長 地域連携特例校の今後の在り方について。中卒者数の減少に伴い、多くの地域連携特例校において、再編整備を留保している学校数が増加する一方で、関係自治体からは、特例校の存続に向け、留保の継続や人数要件の緩和などの要望が多く寄せられている。

 道教委としては、地域の教育機能の維持向上という観点から、引き続き特例校の存続を図ることが必要と考えているものの、その教育活動の維持充実には一定の生徒数の中で学び合う環境も必要と考えていることから、今後は、入学者の確保に向けた効果的な取組について検討するとともに、留保期間の在り方などについては、関係する市町からの意見があることを踏まえ、外部有識者による検討会議で議論するなどして、慎重に検討していく。

Q佐々木委員 普通科改革の取組について。報告書では国が進める普通科改革の方針を踏まえ、学際領域に関する学科や地域社会に関する学科などの新たな学科の設置について検討するとされている。これら学科の具体的内容はどのようなものなのか、また、設置に向けてどのように考えているのか伺う。

A櫻井学校教育局高校配置担当局長 普通科改革の取組について。国では、約7割の高校生が在籍する普通科設置校における特色化、魅力化を推進する観点から、4年度以降、学際領域に関する学科や地域社会に関する学科などを新たに設罹することを可能とした。

 学際領域に関する学科では、例えば、SDGsの実現などの現代的な諸課題に対応するための文理融合的な学習を、また、地域社会に関する学科では、地域や社会の未来を担う人材育成を図るため、地域課題に着目した学習に取り組むことが考えられる。

 道教委としては、社会の変化や生徒の多様な学習ニーズに対応する特色ある普通科教育を推進することは重要と考えており、今後、国の事業等を活用しながら、新たな学科の設置について検討するなど本道にふさわしい普通科の在り方について検討していく。

Q佐々木委員 高校の在り方に関しては地域にも大きな影響を与える重要な課題であり、指針の見直しに当たっては、地域や学校関係者など幅広く意見を聞くことはもとより、議会での議論が必要と考える。

 道教委は、指針についての見直しの方向性をどのように考えているのか、今後のスケジュールを伺う。

A鈴木学校教育監 見直しの方向性と今後の取組について。指針の見直しに向けて、現在、外部有識者からなる北海道教育推進会議高校専門部会において、一定の圏域で高校の在り方について地域とともに考える新たな仕組みの構築、そして国の普通科改革を踏まえた、現代的な諸課題に対応するための学習に取り組む新しい学科等の設置、地域連携特例校の在り方を含めた地域における教育機能を維持するための方策の3つの視点を中心に議論いただいている。

 道教委としては、生徒一人ひとりが多様な人々と協働しながら急激な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会のつくり手となることができるよう、これからの時代に求められる高校教育のあるべき姿の実現に向けて道議会において議論いただくことはもとより、関係団体や広く道民からも意見を伺うなどして9月には素案を示し、4年度末を目途に指針を改正していく。

D佐々木委員 高校再編は、特に、地方において、再編により高校がなくなることで、その生徒が都市部へ流出、また、生徒ともに保護者も移住を余儀なくされるといった状況があり、こうした地域にとっては、ますます人口減少を加速しかねない状況も想定され、現状もそういう状況にある。

 高校、特に、地方校の生徒の確保に向けて、知恵を絞っていただきくとともに、適正規模も必要であることから、引き続き識論をさせていただきたい。

◆新体力テスト

Q大越委員 ことし1月の報告において、本道の児童生徒の体力の状況は、体力合計点が小・中学校男女いずれも全国平均を下回っているとの報告があった。その後、本道の児童生徒の体力・運動能力の状況について詳細に分析されたが、分析の結果、本道の課題としてどのようなことが挙げられているのか。

A泉野健康・体育課長 体力・運動能力等に関する本道児童生徒の課題について。道教委では、1月に報告した調査結果を踏まえて、体力合計点のみならず、児童生徒の取り巻く生活環境面や学習活動面、心理面などの観点について全国平均や体力合計点が上位の都府県の調査結果も比較し、詳細に分析した。

 分析結果からは、これまでも指摘されている1週間の総運動時間が60分未満の児童生徒の割合が多い、平日1日にスマートフォンやゲームなどを使用するスクリーンタイムが2時間以上の児童生徒の割合が多いことに加えて、授業において友人同士で教え合う活動など協働的な学びの場面が少ない、授業の中で自分の動きの質の向上を実感している児童生徒の割合が低い、挑戦心や自己肯定感が低い児童生徒が多いなどの傾向が明らかとなった。

Q大越委員 中学校においては男女ともに全国平均との差が広がっている状況であり、特に女子においては、全国と比較し依然として低位にある。道教委として、中学校女子の体力が低位である要因について、どのように捉えているか伺う。

A泉野健康・体育課長 本道の中学校女子の体力・運動能力等に関する課題について。質問紙調査において、本道の中学校女子を小学校男女および中学校男子と比較したところ、1週間の総運動時間が60分未満の生徒の割合が多いことなどに加えて、失敗をおそれないで挑戦していると回答した生徒、自分には良いところがあると回答した生徒の割合が低いなどの傾向が見られ、運動習慣、運動に対する意欲の向上や積極的に体を動かそうとする態度の育成が十分でないと考えられる。

Q大越委員 今回の分析結果を踏まえ、今後、道教委としてどのように本道の児童生徒の体力向上に取り組んでいくのか。

A鈴木学校教育監 今後の取組について。児童生徒が生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を身に付けさせるためには、今回の分析結果を踏まえて児童生徒に体を動かす楽しさを味わわせ、運動に対する意欲や自己肯定感等を高める授業改善はもとより、学校が家庭や地域と連携し、運動習慣の確立に向けた取組を一層充実させることが重要である。

 道教委としては、学校全体で児童生徒が自分の動きの質の向上を実感できるよう、友人同士で高め合う協働的な学びや自身の変容を確認できるICTの効果的な活用、教員が児童生徒の良さや伸びを認めるきめ細かな指導の充実を図るとともに、生活リズムチェックシートなどを用いて保護者の協力のもと、家庭での運動習慣の定着に向けた取組を一層普及するほか、コロナ禍であっても主体的に体力の向上を図ることができるよう、プロスポーツチーム等の協力を得て制作したリズム運動動画のより一層の活用を促すなどして、各学校において児童生徒の体力向上の取組が着実に推進されるよう努めていく。

O大越委員 特に危惧しているのは、挑戦心や自己肯定感が低めに推移していることは、本当に深刻な問題ではないか。これは、体力の問題のみならず、児童生徒の一生の問題になってくると思われる。なぜ自己肯定感が低いのか、その理由をさらに深掘りして調べてみる必要があると考える。

 厳しい冬の中でも、伸び伸びと元気に子どもたちが過ごしてもらえるよう心から願っているし、そのために取り組んでいただきたいと強く求める。

◆近代美術館

Q大越委員 先日、道教委は、1回目の近代美術館のリニューアルに関する有識者会議を開催したと伺っている。有識者会議はどのような方々で構成されているのか、また、今回議論された内容と、どのような意見が出されたのか、併せて伺う。

A高見文化財・博物館課長 有識者会議について。この会議は、老朽化した近代美術館に関する今後の施設整備方針を検討するために1月立ち上げたものであり、美術館活動や美術・芸術学に関する研究者、博物館経営や美術教育に関する大学教授のほか、まちづくりや地方からの視点として、道外から移住し、起業された方を含めた5人で構成している。

初回の会議では、近代美術館がこれまで果たしてきた役割や、昨年の長寿命化診断の結果のほか、今後、目指すべき方向性を把握するため、道民アンケートなどの実施方法等の検討の必要性について説明した。

 有識者からは、近代美術館は道民全体の貴重な財産として将来の社会状況を見通しながら検討することが重要という意見、また、作品中心でなく、観衆が主体という視点が大事であることや、ミュージアムがあることが地域にとって誇りであることなど様々な視点から意見をいただいたほか、常設展の開催時期にアンケートを行うことや、これまで利用したことがない方々が期待する機能などについて考えるための予備調査の提案などがあった。

Q大越委員 近代美術館はこれまでも、本道の文化・芸術の拠点として多くの方々に親しまれ、地域の文化芸術に触れる機会を提供してきた。将来、道民が誇れるような美術館となるよう、有識者会議では丁寧に議論を進めていく必要があると考える。いつまでに構想をまとめていく予定なのか、今後のスケジュールを伺う。

A相内生涯学習推進局長 新しい美術館の構想について。近代美術館は、本道の美術文化の振興の中核を担っていることから、多くの方々が芸術を通して、様々な体験や交流をする場としての機能はもとより、年齢、国籍等にかかわらず、行ってみたくなる美術館、訪れた人の心が豊かになる快適な美術館を目指し、多様なニーズに対応する必要があると考えている。

 そのため、これからの美術館に求められる機能や利用者が期待することなどの把握と、新たな利用者を呼び込む観点からの道民へのアンケートを実施するなど、道民から広く意見を伺いながら、美術館のコンセプトや必要な機能、施設整備の考え方や運営方法の在り方などについて有識者会議において協議を重ね、4年度中に協議の内容をまとめるよう検討を進める。

Q大越委員 道教委においては、現時点ではまだ有識者会議を立ち上げ、美術館活動の検証やこれからの議論に当たっての課題の整理を始めたことは承知している。

一方で、施設の老朽化が進んでおり、今後の美術館運営への影響を考慮すると、立地環境を踏まえた近代美術館のリニューアルの検討についても、スピードアップを図る必要があると考える。道教委として、今後どのように進めていく考えなのか伺う。

A池野教育部長 今後の取組について。有識者会議において、これからの美術館に求められる役割や必要な機能などについて多角的に検討を行うためには、新しい近代美術館がこれまで以上の床面積を有し、新たな取組を可能とする施設面の検討も不可欠であるため、施設の規模や立地など施設整備に関しても並行して議論を進める必要があると考えている。

 こうしたことから、今後、現施設を生かす方法をはじめ、現在の敷地内での建て替えや、あるいは移転する可能性も含めて検討することとし、民間事業者から美術館整備に関する提案を募集するとともに、美術館の利用者や近隣住民などの意見も伺いながら、有識者会議で議論を行い、新しい近代美術館の構想素案に向けて取組を進めていく。

D大越委員 様々な視点から検討を進めることが望ましいが、あくまでも、北海道が歩んできた長い歴史に敬意を払って、思いをはせていただき、北海道の歴史文化の象徴としてふさわしい在り方をしっかり検討していただきたい。

◆教員の確保

Q大越委員 3年第4回定例会の一般質問において、教育長は、教員の確保に向けて、教員採用選考検査の日程や会場などの見直しについて検討を進めると答弁されていた。来年度の選考検査に向けて一定程度方向性が決まっている時期と考えるので、現在の状況について伺う。

A奥寺教職員課長 選考検査の日程等について。3年度実施した教員採用選考検査において、北海道の受検者数は前年度に比べ163人減となっている。検査の日程や会場において他県と競合したことが、受検者減少の大きな要因の一つとなったものと考えている。

 受検者数が減少傾向にある中、道外受検者の確保は重要なポイントになることから、4年度の選考検査では他県と競合しないよう1次検査を3年度の6月27日から19日に、2次検査を3年度の8月28、29日から、8月5日からの3日間で実施するなど、スケジュールを全体的に早めるほか、これまで東京のみだった道外の1次検査会場について、西日本の方々が受検しやすいよう新たに関西圏に会場を設置するなどして、道内外の受検者のさらなる確保にこれまで以上に取り組むこととしている。

Q大越委員 北海道の受検者を確保するためには、日程や会場の見直しだけではなく、教員の質を担保した上で受検者の負担軽減を図るなど検査内容の見直しについても検討を進める必要があると考えるが、道教委の見解を伺う。

A伊賀教職員局長 検査内容の見直しについて。4年度の選考検査では日程や会場を改善するほか、出願者を対象としたアンケート調査の結果などを踏まえ、電子申請による出願手続の簡素化や2次検査における柔軟な会場選択など、より多くの方々が受検しやすいよう環境整備を行うこととしている。

 また、教員養成大学や教育関係団体からの意見を踏まえるとともに、他県の取組も参考としてこれまで2次検査において実施していた実技検査を小学校の受検区分で廃止するほか、期限付教員を対象とする特別選考の検査日程を短縮するなど、受検者の負担軽減にも取り組むこととしている。

 さらに、教科担任制に対応するため、検査結果に加点を行い優先的に採用する対象教科に保健体育を加えるほか、一層の人物重視となる面接選考の在り方を検討するなど質の高い教員の採用に取り組んでいく。

D大越委員 受検者の負担軽減のための見直しを進めていることは評価する。一方で、あくまでも教育の質が落ちることのないよう、質の担保については、しっかりと取り組んでいただきたい。

Q大越委員 教員の確保については全国的にも厳しい状況であり、教員採用を行う各都道府県では様々な教員志願者確保に向けた取組を行っていると承知している。北海道においても、教員を志願する大学生などに、まずは北海道の教職の魅力などを伝え、北海道の受検につなげていくことが必要である。

 北海道の教員採用選考検査の受検者確保に向けて、今後、どのように取り組むつもりか、教員確保に対する決意と併せて伺う。

A池野教育部長 受検者の確保について。全国的に教員採用試験の受検者が減少する中、道教委としても、教育の担い手である教員を確保することは学校教育の質の維持向上のため重要であると認識しており、道内外の受検者確保を積極的に進めるほか、新たに育児や介護のため正規教員を退職した者を対象とするなど、特別選考を拡充して即戦力となる人材の確保を図り、多様かつ柔軟な教員採用に向けて取り組むこととしている。

 道教委としては、こうした選考検査の改善のほか、本道の教職の魅力、現職教員の声などを伝えるポスター、パンフレットを作成し、全国700以上の教員養成大学に周知するほか、引き続きホームページやユーチューブなどによる情報発信を積極的に進めるとともに、教員養成大学と連携した草の根教育実習や高校生向け教員養成セミナー、高校生インターンシップといった教職を目指す若者を増やすための中長期的な取組についても一層の充実を図るなど様々な施策を総合的に推進し、教員確保に向けて全庁一丸となって取り組んでいく覚悟である。

D大越委員 何といっても、北海道は全都道府県の中でも魅力度ナンバーワンでもあり、選考者が増える可能性を秘めていると思う。全国の教員志望の方々に北海道の素晴らしさ、本道の子どもたちの素晴らしさをしっかり伝えられるように取り組んでいただきたい。

(道議会 2022-06-13付)

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