札幌市　環境教育基本方針推進委　１人１台端末で回収へ　エコレポート負担軽減で

（札幌市 2022-06-14付）

環境教育の充実に向けて意見を交わした

　札幌市環境教育・環境学習基本方針推進委員会は８日、札幌エルプラザで４年度１回目の会合を開いた。前年度の環境教育関係事業の報告のほか、４年度の実施予定事業について協議。平成１９年度から小・中学校の児童生徒を対象に実施している「エコライフレポート」については、紙媒体での回収から１人１台端末を使用して回収する方針が示された。

　市は、平成３１年度に策定した環境教育・環境学習基本方針に基づく取組の確実な推進に向け、施策の進捗状況や効果などを定期的に評価、検証することを目的とした環境教育・環境学習基本方針推進委員会を設置している。

　開会に伴い、環境局の菅原祐雄環境都市推進部長があいさつ。「ＳＤＧｓの推進が求められることから、環境教育へのニーズが今後も高まっていくことが予想される。教育委員会などと連携し、子どもの環境教育への意識を高めていきたい」と述べた。

　議事に移り、会長と副会長を選出。会長に北海道大学大学院文学研究院の大沼進教授、副会長に北翔大学短期大学部の石澤優子教授が就いた。

　つぎに、３年度の環境教育事業の報告と本年度の予定や方向性を事務局が報告。小・中学校の児童生徒に各家庭で取り組むエコ活動に関するチェック表を配布するエコライフレポートでは、「ゼロカーボン都市をめざそう！」を３年度のキャッチフレーズとし、夏季・冬季休業期間中を対象に実施した。

　取組状況をみると、夏・冬ともに２９６校で実施。全児童生徒のうち、夏は９３・９％、冬は９２・５％がエコ活動に取り組んだ結果となった。

　本年度からは、長期休業終了後に紙媒体のレポート用紙を各校で回収・保管する事務負担の軽減のため取りやめ、グーグルフォームを使用し、１人１台端末から入力した取組結果を集計することとしている。

　このほか、市が学校で実施したＳＤＧｓ・地球温暖化・気候変動に関する出前講座の実績や教職員対象の環境教育に関する研修の実施などについても報告された。

　協議では「北海道は農業が盛んなため、ＣO２の排出量が国内的にも多い傾向にある。そのような条件に関する理解を深める指導等が必要では」などの意見が挙がった。

(札幌市 2022-06-14付)