教育機会確保など要請　指定都市　国の施策等提案

（札幌市 2022-06-15付）

　札幌市は１３日に開かれた市議会大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会に、指定都市市長会等がまとめた５年度国の施策および予算に関する提案（通称「白本」）案を示した。教育関係の主な要望をみると、児童生徒の感染対策および教育機会の確保、ＧＩＧＡスクール構想推進に向けた制度の充実、子ども・子育て支援の充実などを盛り込んだ。７月にも関係省庁に提案を提出する。

　白本は、大都市行政を推進する上で、国の理解・協力を得なければならない指定都市共通の事項について、毎年、指定都市市長・議長の共同提案としてまとめているもの。政府予算案への反映に向けて、例年７月、関係省庁および政党に対し要請行動を展開している。

　新型コロナウイルス感染症の感染防止拡大と社会経済活動の両立に向けた対応では、１２項目を盛り込み、教育関連では児童生徒の感染対策と教育機会の確保を挙げた。学校・幼稚園、放課後児童クラブ等における換気設備の設置や機材・衛生用品の整備などに関する継続的な財政措置、対応の長期化に伴う教職員等の負担軽減に向けて業務支援を行う人員配置等への財政支援を求めた。

　個別行政分野関係のうち、子ども・子育て支援の充実については、「量的拡充」と「質の向上」に向けた恒久的な財源の確保を要請。保育所等施設整備に係る補助率かさ上げや保育士等確保策への財政措置、医療的ケア児の受入促進に向けた各園への看護師等配置に係る財政支援などを求めた。

　ＧＩＧＡスクール構想推進に関しては、１人１台端末の初期整備に限定せず、国庫補助を高校段階も含めた端末運用、維持・更新も対象とするよう要請。授業や家庭学習等におけるセキュリティ対策費用、通信費やＩＣＴ支援員派遣、ＧＩＧＡスクール運営支援センター、教員研修等などへの必要な財政措置を盛り込んだ。

　義務教育施設等の整備促進に関わっては、計画的な施設整備促進にために必要な事業量に見合う財政措置とともに、事業在宅時期の早期化を要求。小学校３５人学級編制等への対応に向けた補助単価の引き上げや補助要件の緩和、空調設備設置に向けた財源の継続的な確保を求めた。

　白本は、７月にも関係省庁に提出する。

(札幌市 2022-06-15付)