札教研事業「春の研究集会」〈上〉　

（札幌市 2022-06-16付）

物語の内容からスイミーの心境や表情を考えた

　札幌市教委は１４日、札教研事業「春の研究集会」を市内各校で開催した。新型コロナウイルス感染症の影響により、３年ぶりの開催。会場となった小・中学校では、参集とオンラインとのハイブリッド形式を駆使し、授業公開や研究協議を展開し、全市一丸で研鑚を積んだ。本紙は公開授業３校、研究協議３校を取材。各校の様子を２回にわたって紹介する。

◆登場人物の心情に迫る　西岡小　豊平区小学校国語研究部　

　豊平区小学校国語研究部の会場となった西岡小学校（小川泰弘校長）では、２年３組「スイミー～お話を読んで、しょうかいしよう」（安原佳奈教諭）を公開。安原教諭は、物語の内容を確認しながら児童たちにスイミーの心情や表情を考えさせる授業を展開した。

　同部は、全市研究テーマに「子ども自身が“伸び”を実感できる授業づくり」を掲げ、研究の視点に①子ども自ら考え、判断し、表現できることができる教材化②一人ひとりのよさや伸びを認める教師の関わり―の２点を設定。「分かる」「できる」「楽しい」授業づくりの充実を目指して日々研究を積んできた。

　単元では、身近なことを表す語句の量を増やし、語彙を豊かにすることや登場人物の行動を想像し、学習課題に沿って物語を紹介しようとする態度を養うことなどを目標に設定。場面ごとのスイミーの表情を書き込める「スイミー表情カード」を作成し、最終的にスイミーの話を１年生に紹介することを目指して授業を進めてきた。

　安原教諭は、前時までの活動を振り返ったあと、３場面に出てくるスイミーが見た様々な素晴らしいもの、面白いものを見つける活動を展開。６つの文章から選んだ様子について、２場面と３場面の表情の違いやスイミーがどのような表情になるのかを予想させた。

　児童たちは「にじ色のゼリーのようなクラゲを見てきれいだなと思った」「見たこともない魚たちを見てうれしくなった」などとスイミーの心情を予想。

　最後に、安原教諭は「スイミーは海のたくさんの素晴らしいもの、面白いものに出会ってだんだん元気を取り戻したんだね」とまとめた。

(札幌市 2022-06-16付)