教科等横断的に授業を　丘珠中　小中合同食指導研究部

（札幌市 2022-06-17付）

約２００人が参加した

　小中合同食指導研究部は丘珠中学校（菅原伸一校長）を会場に開催した。本年度の研究テーマを共有するとともに、市教委教職員育成担当課の山崎貴博指導主事の講話を通して、食に関する指導について理解を深めた。

　全体会開会後、真田里美研究部長が４・５年度の全市研究テーマと研究推進について説明した。研究テーマは「生きる力を高める食指導の研究と実践」。近年では、コロナ禍での食生活や運動習慣への変化等が問題視されている。また、学習指導要領においては「学校における食育の推進」が示され、発達段階を考慮して教科等横断的に行うことが求められている。

　食に関する指導では、各教科等での指導の充実と教科等間のつながりを捉えた学習を継続する必要性があることから、児童生徒が食に関する指導内容を自分事と捉え、正しい知識と食生活を身に付ける姿と自己管理能力の育成に向け、研究テーマを設定した。

　研究の視点は「自己管理能力を育成するための教材化」「教科等横断的に取り組み、効果的な食指導のための子どもとの関わり」の２点となっている。

　つぎに、山崎指導主事が講話。札教研の本年度重点等の説明のほか、自身が小学５・６年生の特別支援学級で実践した食に関する授業について紹介した。

　特別支援学級では、給食の献立を考える活動を実施。最初の授業では、複数のメニューから児童が自分で献立を作成した。揚げ物だけ選ぶ子や食べきれないほどの献立を考える子に対して「みんなが考えた献立のような給食が提供されない理由は」と投げかけた。

　その後、栄養教諭と協力し、栄養バランス等について数回に分けた助言を踏まえ、バランスの取れた献立が完成。児童が考えた献立は実際に給食で提供し、学びの実感を持たせるようにした。

　山崎指導主事は「色々な角度から食の指導につなげ、子どもが成長する授業を実施してほしい」と呼びかけ、各校での実践に期待を寄せた。

　全体会終了後、各区別で集会も実施。研究の充実に向けて交流を深めた。

(札幌市 2022-06-17付)