北海道フィンランドウィークin札幌 誰も残さない平等な教育 駐日大使館等主催で初開催(札幌市 2022-06-20付)
大使館の堀内さんが講演した
駐日フィンランド大使館などが主催する「北海道フィンランドウィークin札幌」が5月28日から7日間にわたり、札幌市民交流プラザなどで開かれた。最終日の3日は教育DAYとして、大使館広報部の堀内都喜子プロジェクトコーディネーターが「フィンランドの教育とは」と題し講演。また「なぜフィンランドの若者は積極的に社会に参加するのか?」をテーマに主権者教育についてのディスカッションを行った。
北海道フィンランドウィークは、駐日フィンランド大使館、在日フィンランド商工会議所などが一丸となって北海道で初めて開催したもの。
気候や豊かな自然、人口規模など、フィンランドと本道には様々な共通点があり、大学や企業間での交流は数十年前から活発に行われ、スポーツ界での往来も盛んになった。元年12月にフィンランド航空のヘルシンキ~新千歳線が就航したことで絆はさらに強まり、ビジネス分野の交流が増えることが見込まれている。
初のフィンランドウィークでは、札幌市内の各会場にフィンランドを代表する面々が集結し、フィンランドの知識を深め、文化を体験するイベントを展開。サウナや教育&子育て、ジェンダー平等などについて紹介し意見を交わした。
3日は教育DAYとして、フィンランドの教育全般について幅広く紹介した。
このうち駐日フィンランド大使館の堀内さんは「フィンランドの教育とは」と題し講演。フィンランドの教育は18歳まで無料で「誰も残さない平等な教育が特徴。競争より協力を大切にする。仕事では、いろいろな人と協力しなければならないのだから、それを小さいうちから学ぶという発想」と紹介した。
新型コロナウイルス流行の際、たった2日間で全国で遠隔授業をスタートさせたことを述べ「これは、教育の機会を奪ってはならないというフィンランド人の強い気持ちの表れ」と説明。
また、学習指導要領に当たるコア・カリキュラムについて「10年に1度の改訂だが、将来どんなスキルが必要になるかを見越し、常に進化している」「最近はプログラミングが始まり、外国語は小学1年生から」などと述べた。
また、正しい情報を読み取る「メディアリテラシー」の授業があることを述べ「昔から、批判的に情報を読み取るようにしている」と説明した。
成績の付け方は「子ども、親と3者で一緒に目標を考え、3者でどこまでできたか評価する」と説明。
教員の指導時間は週20時間で日本より多いが、労働時間は週33時間でかなり少なく「授業以外の業務が少ない」ことを指摘。また、複数担任制で「先生の役割は学ぶ喜びや環境をつくること」と、教え込みを行わないフィンランドの教育の特色を示した。
最後に、大人が学べる場所がたくさんあり、何歳でも学べることを紹介。550万人しか人口がないため「1番の資源は人」という考えで、そのため「能力やチャンスは平等であるべき」「人が1番の資源で、1人も無駄にできない」という思想につながっており、終わりなく生涯学びを続けることができることを紹介した。
(札幌市 2022-06-20付)
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